In other words, hold my hands

長谷川 雄治
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「SEO・マーケティング 入門 2026」、第六弾。
"please be true”と「在りのままでアレ」とお伝えしてきた背景について、"hold my hands”と解説してみました。
"please be true”なWebサイトで十分な理由も、改めてお伝えしています。

今回は、「SEO・マーケティング 入門 2026」第6弾。
2回も反復してお届けした”please be true”で、「身の丈」や「素直」であれとお伝えしてきましたが、「本当に、それで大丈夫?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

Web制作やSEOを提供する側としても、特別な処理なんて必要ないと言われてしまうと、困ってしまう。もっとデザイン力や技術力、機能性を強調して、他社との違いを押し出したい、強く訴求力を発揮したい、というご意見や事情もよく分かります。

今回は、なぜ”please be true”で良いのか。
また、それを踏まえた”hold my hands”について、お伝えします。

目次

「ただのWebサイト」は、希少

“please be true”の発想は、基礎基本である「当たり前」=凡事徹底がベースです。
なんの変哲もない「普通」のWebサイトを土台に、「やった方が良さそう」な物を合わせ、若干の「可愛げ」を添えてあります。

発注した人や、案件を紹介してくれた代理店からすると、もしかしたら「ちょっと物足りない」ぐらい、味気ない「ただのWebサイト」に落ち着くでしょう。
でも、そんな派手さや特徴を持たせないのに、指名検索で1ページ目の上位表示を果たし、「地域名 or 最寄駅 + ジャンル」程度の検索クエリで30位前後に入るようなWebサイトは、それほど多くありません。

それでいて、「今すぐ行動したい」という急いでいる人も、「知りたい人」という情報収集目的の人も、どちらの要望にもしっかり応えるために、数は少なかったとしても着実に検索エンジンやユーザーからの評価を高め、本来は望めないビッグキーワードでも、しっかり表示されるようになるというのは、非常に希少です。

ページ数はせいぜい20ページ前後、ブログ記事のようなコンテンツも100ページに満たない規模で、おまけにドメインは取得したばかりで、被リンクも少ないのに公開直後からオーガニックな指名検索でサイト流入があるというのは「ただのWebサイト」ですが、「ただのWebサイト」ではありません。

プライバシーポリシーには、個人情報に関する取扱業者や目的、問い合わせ窓口や連絡先だけでなく、アクセス解析や広告に関するオプトアウトURLまで記載されていたり、利用規約等には、掲載内容に関する著作権表示や免責事項まで記載されているかどうか。

通販サイトであれば、特定商取引法に関する表示も整えられており、会社概要は検索回避や工数削減を目的とした画像ベースではなく、まともにドラッグ可能なテキストや、クリック可能なリンク要素になっているかどうか。ウィーン売買条約に関する言及の有無も、一つのポイントです。

それらを踏まえた、必要十分な内容を満たす「当たり前」のWebサイトになっているでしょうか。
そこに加え、Core Web VitalsやPageSpeed Insightsのスコアまで良好なWebサイトは、一見「ただのWebサイト」であっても、少ないというのが現状です。

“please be true”を貫いて物足りなかったとしても、周りもそれほど良質でないことが多いので、必要十分かつ素直であっても、特に問題はないというのが2026年現在の実態です。

AIに任せたノーコード、バイブコーディングなWebサイトや、SPA(Single Page App)、MPA(Multi Page App)のWebサイトが増えれば増えるほど、プロの手によるマトモな仕事は優位性を高めていくでしょう。

徹底的な「ただのWebサイト」は、もっと希少

無骨さを感じるほど無個性で、何も引っかかる要素のない「ただのWebサイト」は、「普通」のWebサイトより、さらに希少です。
必要十分な内容を備えた上に、SEO対策だけでなく、デザイン的にも「悪くない」水準で総合的にハイレベルですが、多方面に気を利かせ、「当たり前」の客観視や時代に合わせたアップデートを怠っていない、徹底した「ただのWebサイト」となると、中々見当たりません。

特定のクエリで1位表示を狙うための、デザインも読みやすさも無視した一昔前のWebサイトや、逆にSEOや表示速度を一切無視したような、デザイン性に全振りした「イケてる」Webサイトも、まだまだ豊富に見つかります。

JSON-LD形式による「組織(Organization)」や「パンくずリスト(BreadcrumbList)」、「記事(Article、NewsArticle、BlogPosting)」などの構造化データのマークアップや、スクリーンリーダーによる読み上げや、背景とテキストのコントラスト、言語の明確化といった、アクセシビリティにまで気を配るのも、2026年であれば、一種の「当たり前」でしょう。

本文の文字サイズが16px未満だったり、mainタグが未使用なWebサイトや、doctype宣言がhtml5以前だったり、古いブラウザに対する記述がそのままだったり。必要のない部分で、未だにjQuery依存を抜け出せていないWebサイトも珍しくありません。

読ませることを目的とした部分の文字送りが、日本語で40文字を超えるレイアウトとなっていたり、テキストも埋め込まれているのに、retinaディスプレイのような高解像度未対応の画像を用いていたり、縦長、横長画面の切り替えを全く気にかけていない画像配置や、列数の多い表組も、気が利いているとは言い難いでしょう。

標準仕様を策定する団体や、Googleといった目安、広告に関するルールはあるものの、「こうでなければならない」を学び続ける必要性、機会が希薄です。
仮に何らかのイベントが開催されていたとして、そこで語られる情報が果たして本当に正しいのかは、受け手のリテラシーに委ねられています。

日々の実務に忙殺されていると、「今まではコレで問題なかった」で突き進んでしまいますし、実際にそれで何とかなるでしょう。
そうなると、あとはクライアントが唯一の「外部」になりますが、クライアントはクライアントで「イマドキの当たり前」を知っているとは限りません。

つまり、発注する側も制作する側も、サイロ化、蛸壺化を止められません。
世間やユーザー側は、Webサイトを制作している間にも、時間と共に変化していくのに、誰も客観的な判断が出来なくなる。これは特別な事例ではなく、むしろ一般的な事象です。

それ故、2026年の「当たり前」に合わせた「ただのWebサイト」というだけでも、希少価値は極めて高いと言えるでしょう。

「何の問題もない」Webサイトほど、実は中身も伴っている上に、価値が高い。
それが、2026年における「普通のWebサイト」です。

地味な引き算で十分

センスが迸るデザインも、ド派手なエフェクトも、潤沢な予算を感じさせるリッチコンテンツも、トレンドを捉えた新たなSEOも、特に必要ありません。

ランディングページの最適化や、各種APIの組み込み、MAやCRMツールとの連携といった、Webサイト以外も絡めた技術力や、アプリケーション開発も、あったら便利ですが、Core Web Vitalsとのトレードオフに見合うかどうかは、ケースバイケースです。

何か特別なことをする必要はなく、とことん引き算して、「それだけで十分なの?」と物足りなさを感じるぐらい地味で平凡な「ただのWebサイト」の方が、長く成果を上げるWebサイトだったりします。

基礎基本という「当たり前」を徹底するからこそ、表面的な変化に狼狽える必要もなく、振り回されることもない、マイペースを貫ける大事な拠点となり得ます。

ましてや、周りが「ただのWebサイト」に手が届いていない状態だとすれば、「ただのWebサイト」で十分でしょう。だから、”please be true”で問題ないどころか、最適解の可能性があるとお伝えしています。

それでも、求められていない

成果を出すために必要なのは、味気ない上に見栄えもしない基礎基本で構成されたWebサイトです。
GEOやAIO、AEOやLLMOといった、目新しい用語が目白押しの提案も必要なく、「当たり前」かつやり過ぎないSEOを施せば、十分です。

コンテンツ制作も含め、AIを使って量産したり、何か特異なことをする必要性も皆無です。
それで成果が出ることは十分だと分かっているものの、昨今の人件費や事業としての存続を考えると、「地味な引き算」のWebサイトでは物足りないでしょう。

クライアントも納得する内容を目指し、デザインやエフェクト、その他のシステム開発やクリエイティブで工数を積み上げ、お互いに納得するラインを模索したくなる気持ちも、よく分かります。

その結果、制作費として30万円前後から100万円の範囲へ収まったとして、本当にそのWebサイトは、投資に見合うだけの成果を挙げられるでしょうか。
コレに関しては、元々の検索需要や発注者のコミットメント、その時々のトレンドによるところもあるので、蓋を開けてみないと分からない世界ではありますが、2年後や3年後に「もう一度発注しよう」と思うクライアントは、どれだけ現れるでしょうか。

「ただのWebサイト」では、短期的に大きな収益を期待することは困難です。
中長期的には着実に成果を上げられると思いますが、それでも月数万円レベルを継続できれば十分でしょう。投資に対して回収がプラマイゼロ、2年程度で単月黒字を達成できるようになれば問題ないでしょうが、初期費用が40万円前後を超えてくると、成果としては「物足りない」はず。

つまり、「ただのWebサイト」を従来通りの金額で制作するというのは、発注者にとっても、制作者サイドにとっても、経済的な事情から「求められていない」というのが実態でしょう。
「ただのWebサイト」を作っても仕事にならないのは、「ただのWebサイト」の価値を伝えにくいことと、そこにかかる工数や費用のアンバランスさ、成果保証は困難な不確実さが本当の理由です。

結局、誰からも求められておらず、それでも必要とされてしまうという、ウロボロスの輪のような自己矛盾、ミスマッチを引き起こしているというのが、2026年におけるWeb制作の姿です。

道なき道へ、hold my hands

Webサイトの可能性を市場にも皆さんにも信じてもらうには、保証できること=「ただのWebサイト」を、今までの価値観からすると見合わない価格でご提案しなければならないでしょう。
発注者側も、受注者側も、「それは無理」といいそうな道を切り拓いていかなければ、業界自体の未来が危ぶまれます。

とは言え、コレまでお伝えしてきたように「ただのWebサイト」で成果を上げることも、そう簡単ではありません。”please be true”に則り、Webサイトを制作したところで、ペルソナの見極めやカスタマージャーニー、シナリオの仮説検証に関して、確かな知見も必要となります。

サイト単位、ページ単位での情報設計にも通じており、「問題ない」レベルのデザインができ、コンテンツとしての表現や、HTML/CSS/Javascriptといったコードにも一定の品質を担保できる人でなければ、「特別なことはしていない」といいながら、十分な成果を上げられるWebサイトは中々作れません。

昨今なら、AIの力を借りればいいセンまで到達可能かもしれませんが、その成果を見て客観的にジャッジするリテラシーも必要となります。
やはり、一人でやり切ることは困難でしょう。故に、未来や世間のためならと、目先の不利益に対して腹を括った専門家と、手を組むべきです。

誰も求めていなくても、必要とされているのなら、多少の無理は承知で痛みを引き受ける。
あるいは、「見合わなさ」を上手く穴埋めして、発注者の理解を得ること。
お互いにきちんとコミュニケーションして、歩み寄ること。

全員が変わろうとしなければ、この業界に未来はない。
今も未来も、クライアントも守るために、”hold my hands”。
専門家の手を取りましょう。

「ただのWebサイト」を作ろう

Webサイトを作るだけでは仕事にならない、やがてAIに駆逐される。
それも間違いではないでしょう。
そして、「ただのWebサイト」では仕事にならない理由も、無視できません。

十分な成果を上げられるはずの「当たり前のWebサイト」はすでに減っていて、それ故に”please be true”でも十分なのに、ますます作られなくなっていくでしょう。

指名検索に上位表示され、徐々にビッグキーワードでも検索結果へ表示されるような内部SEO、Core Web Vitalsが良好で、必要十分なコンテンツかつ多方面に気の利いたアクセシブルかつレスポンシブな「ただのWebサイト」を作れるということは、コレからも十二分に効果を発揮できるはず。

「ただのWebサイト」の価値を確立できるよう、「ただのWebサイト」を作っていきましょう。
よって、「SEO・マーケティング 入門 2026」の6つ目のポイントは『In other words, hold my hands』

手を取りたくなる、「ただのWebサイト」専門家でありましょう。

怖いけど、それでいい

「ただのWebサイト」も”please be true”も、「それでいい」と言われたところで、当事者としては心細いものです。
安全策のようなクッションや風除け、第二案、第三案といった代替やオプション、見栄えの良さが欲しくなるのも、よく分かります。

引き算という少なさや、度胸・覚悟を求める在り方だからこそ、”hold my hands”。
隣で手を差し伸べること。パートナーやコーチ、相棒としてそばにいることが大切です。

怖いし、寒いし、心細い。
それを受け入れ、克服すれば向かう所敵なしです。

もし、私たちの手を取りたいという方や、本記事に関するご質問がある方は、お気軽にお声かけください。

皆様からのご相談、お待ちしております。

目標は、淘汰の超越

「ただのWebサイト」から始まって、目指したいのは時間を超えても生き残れるWebサイト。淘汰を超越するWebサイトを目指す理由は、こちらの記事でチェック。

時代を超えて愛されるWebサイトを目指して

「BLUE B NOSE」は時代を超えて愛されるWebサイトをお届けするために、月額制モデルを選択しました。OODAループやPDCAサイクル、データ・ドリブンに基づく継続的な改善を選んだ理由や、当サービスの目標、当サービスの特長を簡単にご紹介します。
長谷川 雄治
ノウハウ

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長谷川 雄治
昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。
2011年からWeb制作に従事。コーディングやWordPressのカスタマイズ等を主に経験を積む。2013年、仮面ライターとして独立開業。マーケティングや企画、上流も下流も幅広く対応。
コーディングとコンテンツ制作の同時提供を考えるヘンな人。
BLUE B NOSEでは開発等を担当。

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