権威(ハネウマ)に、まだしがみつく?

長谷川 雄治
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2020年代後半に向けて認識をアップデートしよう、市場の変化をよく観察しようという話はこれまでも繰り返しお伝えしてきました。今回はそれを「権威」として、改めてまとめてみました。
前の午年から干支一回り。いい加減に適応しましょう。

今日は4月1日。
つまり今日から、令和8年度が始まります。

年明けから始まった丙午は、まさにエネルギーに満ち溢れた赤い馬。
真っ赤なフェラーリのごとき跳ね馬に跨って、新年度もスタートダッシュを決めたいところです。

ただ、エネルギーに満ちていて馬力があるということは、同時に制御も難しい暴れ馬だということ。
スピードが出る名馬ほど、扱い方を間違えれば一瞬で事故に繋がります。

馬に乗る時は左からとか、左から乗ると転ばなくて縁起がいい「左馬」があるように、力強さを秘めた馬だからこそ、上手な付き合い方やコツというのも存在しています。
下手にちょっかいをかけて噛まれたり、後ろ足で蹴られたりしないよう、向き合い方や扱い方については気を付けたいところです。

そんな令和8年、2026年にも関わらず、いまだにコンテンツマーケティングやSNSで、自ら高い位置を目指そうとする人をチラホラ見かけます。
細分化されたカテゴリを用いたポジショニング戦略やNo.1商法、ブログやSNSを通じた情報発信による権威付けを、パーソナルブランディングとして活用する方も珍しくありません。

確かに10数年前までは、それが正しいとされた時代もありました。
「誰それが何十億も稼いだ手法」や「世界的な権威に直接指導を受けた」という触れ込み、あるいはSNS上での繋がりやフォロワー数が、猛威を奮っていたことも事実です。

今もなお、その成功体験やマインドセットから脱却できず、それに拘り続けている人に対して、「本当に大丈夫?」と思ってしまうのは、私だけでしょうか。

令和8年度が始まる今、「権威」はまさに丙午のようなハネウマ、暴れ馬です。
向き合い方や取り扱い方に気をつけないと、いつか激しいロデオのように振り落とされてしまうかもしれません。
馬力に満ちた丙午だからこそ、どんなリスクがあり、いかに取扱注意なのか。

今回は、偏見たっぷりにお伝えします。

目次

そもそも、ちょっと怖い

まず、ビジネスやマーケティングといった枠組みを取っ払った一般論として。
対面でのやり取りであれ、ブログやSNSといったインターネット上の言論空間であれ、威丈高かつ一方的に誰かを攻撃するような言動は、根本的に忌避されています。

やや煽り気味な書き出しから始めておきながら、チグハグに思われるかもしれません。
しかしながら、「なんとかハラスメント」が爆発的に増えている昨今。
当事者である自分と相手だけでなく、周囲に対して「嫌な思い」をさせるかもしれない言動や振る舞いは、明確なリスクです。

いつでも繋がれて、写真でも映像でも簡単に発信できるようになったからこそ、リアルでもデジタルでも言論空間はデリケートさを増し、細心の注意を払っても足りないぐらい、気を遣う場所となっています。
そこで、自分を特別な高い位置に置き、上から目線で断罪するような発言、発信に対しては、中身以前に「ネガティブ」な印象を避けられないでしょう。

つい感情的になって、その場の勢いで気持ちを吐露してしまうこともあるでしょう。
あるいはアンガーマネジメントをきっちりやった上で、自らを専門家として演出するため、自らの高さを示すために、あえてキツく受け取られそうな表現を選ぶこともあるかもしれません。

故意かどうか。
何らかの意図や戦略があるのかどうか。

そういったものは一切関係なく、発信することによって損をしかねません。
個人的にも、あまりにも断定的な表現で誰かを糾弾したり、あまりにも強気な表現をSNS等で見かけると、「大丈夫かな」と老婆心ながら、つい心配してしまいます。

政治家同士のやり取りや、記者会見でのマスコミとのやり取りであったとしても。
強すぎる表現や物言いに対しては、「見たくない」や「聞きたくない」というムードが、どうも広がっているような気がしてなりません。

穏やかにのんびり過ごしたいのに、どこかで誰かが怒鳴られている。攻撃されている。
それを見るだけで自分まで叩かれているような気がする上に、嫌な雰囲気に巻き込まれてしまう。
そういったものを避けたいがために、「強気な発言」自体が、新たなセンシティブとしての立場を築きつつあります。

学歴や資格、受賞歴や所属組織、年収や知名度など。
少しでも自分を大きく見せてしまうような「段差」があると、自らがいかに強気な発言をしているか、あるいは対等であることを忘れて強く当たっているかについて、無自覚になりがちです。

リスキーな発言をしているのにも関わらず、自分を客観視できていなかったり、一連の言動がどう受け取られるかに無自覚だったりすると、それすらも周囲の落胆に繋がります。

アナタの足元がみかん箱や段ボール、あるいはビールケースをひっくり返した粗末なお立ち台であったとしても。常に「高いところから失礼します」という意識を持っておく。
それが、2026年において忘れてはならない姿勢でしょう。

教わりたい、はきっと幻

リーマンショックや東日本大震災の影響が落ち着き始め、本格的にアベノミクスが盛り上がりを見せ始めた2012年後半や2013年頃。資格を取得して士業として独立しようという機運が高まっていた時期があります。

それにやや先行する形で、飽和する成熟市場の中で生き残るためには、ブログやキュレーションなど「ペン」の力や知識を使って、自らをエキスパートとして演出するようなパーソナルブランディングや差別化も、確かに流行っていました。

カテゴリを細分化するポジショニングやNo.1商法も流行し、ステップメールやメールマガジンも駆使したダイレクトレスポンスマーケティングや、教え子を囲い込むコミュニティ型の「新家元制度」(先生を頂点にしたヒエラルキー)や「協会ビジネス」(民間資格を創設して囲い込むモデル)も一大ムーブメントでした。

自分を先生として権威付けし、顧客を教育するというモデル、有益な情報を上から下へ与えるという形が一部で推奨されていたことも事実です。
しかしながら、そうした無自覚の上から目線の発信をお手伝いしているうちに、「なんでこんなに馬鹿にされなければならないのか」と密かに憤っていたことも、また事実です。

もはや10年以上前のマインドセットですが、その頃に刷り込まれた手法をいまだに捨てられないのか、今もなお「教えてあげる」といったスタンスや、「私から教わりたいはず」みたいなプライドが見え隠れするブログ記事、SNS発信をチラホラ見かけます。

本当に、そんなに教わりたいんでしょうか。
確かに最初から「教わりたい」と思ってセミナーや教材を購入しているのなら、話は別です。
しかし、SNSのタイムラインで不意に見かけた投稿や、たまたま辿り着いたブログ、あるいはセミナー動画に対して、首を垂れて「教えて欲しい」と思う方は、どれだけいらっしゃるのでしょう。

視座の高さや地頭の良さ、専門知識や独占情報は価値がある。
それ自体は間違いありません。
ただ、それを「全員が無条件に求めている」かどうかは、全く別の話です。

アナタが自認しているほど、周りはそれを求めていない。
むしろ、居丈高に「教えてやろう」という態度には、そっと距離を置きたくなる。

それが、2026年現在の一般的な感性じゃないでしょうか。

虎の威も、鼻につく

世界的なマスメディアの影響力低下や、近年の国際機関に対する印象の変化も相まって、権威全般に対して「メッキが剥がれた」と感じる方も増えつつあるのではないでしょうか。

日本国内では、その余波もあるからか、著名人の肖像を広告素材として安価に利用可能な、月額制のサービスもいくつか生まれています。
その結果、本来であれば手を出せなさそうな中小企業や、新進気鋭のサービスの広告でも、著名人の起用が増えています。
「本当にそんなところに使われても大丈夫?」と思ってしまいそうな、「かつての有名人」も沢山見かけるようになりました。

そこに加えて、ディープフェイクや生成AIの発達もあり、著名人の画像を無断使用した投資詐欺、なりすまし広告も深刻な社会問題となっています。
その結果、起用されている著名人やサービスには問題がないはずなのに、「著名人が勧めている」時点で警戒してしまうご時世になりました。

中国では、KOL(Key Opinion Leader)やKOS(Key Opinion Seller)のような、著名人や企業自身ではない代弁者を活用する傾向も顕著です。
しかし、そうして生まれたインフルエンサーに対してすら、「どうせPRなんでしょ?」と身構えてしまう。
「プロモーションを含む」というフレーズがなければ警戒してしまうのも、もはや珍しくありません。

つまり、虎の威という権威を借りようと思っても、それ自体が嫌がられつつある状況です。
2010年代前半であれば、欧米で流行った横文字や「世界的な権威」も、貴重な舶来物としてありがたがられたかもしれません。
しかし今は、アナタを直接指導した先生も、それを権威の根拠とするアナタ自身の考え方も、もはや「鼻につく」時代です。

虎の威を借りて自分を大きく見せようと思っても、その発想自体、以前ほど通用しない。
それもまた、忘れてはならない1つのポイントです。

街へ出て、適応せよ

この記事の冒頭でもお伝えしましたが、公開日は2026年4月1日。
10年前、2015年前後であれば、知識共有を通じた先生化や細かいポジショニング、No.1を掲げる手法も有効だったでしょう。
日本にまだ持ち込まれていない横文字に対し、先行者利益を取りに行ったり、唯一の専門家として虎の威を借りに行く動きも、間違いではなかったはず。

しかし、そこから5年経ち、やがて10年が過ぎました。
2019年末から始まったコロナ禍を過ぎ、2020年代後半に突入している昨今です。

クライアントの認識が、いつまでも変わらないのは仕方ないでしょう。
その先入観を尊重し、やりたいように付き合ってあげるというのも、間違いとは言えません。

しかし、そういった事情とは関係ない部分で、サポートする専門家の価値観、勝ちパターンがいつまで経っても「あの頃のまま」に固定化されているのは危険です。
かつて身につけたノウハウやマインドセットが今でも多少は有効だからといって、明らかに時代遅れになっているのにも関わらず、時計の針を進められないままタイムカプセル化している同業他社も、数多く存在します。

確かに、2010年代半ばほど、ノウハウや人材の流れはオープンじゃなくなったかもしれません。
コストプッシュ型のインフレで一見好景気に思えますが、スタグフレーション気味の情勢が長引いているため、己の身を守るために無自覚な「サイロ化」が起きていても、おかしくはないでしょう。

それにしても、クライアントをサポートする側、技術やノウハウを提供する側が知識や感覚を刷新できず、時代にも市場にも置いて行かれているという状況は、どうにかしなければなりません。

「あの頃は良かった」のは分かりますが、流石に現実を客観視しましょう。
時代の変化に柔軟に対応し、キャッチアップできなければ、「分からず屋」として陳腐化していくだけ。

確かに、変わらないことは楽です。
10数年お世話になった常識を捨て、見知らぬ世界へ踏み出していくには、大変なコストとエネルギーを要します。適応しなければ生き残れないと言われても、簡単じゃないし怖いでしょう。

しかし、その痛みを受け入れてでも、時計の針を「今」に合わせ直す。
時代や市場をつぶさに見て、思い込みを捨てて適応しましょう。
化石化するには、まだ早いはずーー。

怪我する前に降りよう

権威は確かに武器でした。
今でも、確かな裏打ちのあるオーセンティックな権威は、有効な力の一つです。

しかし、自分から高いところを目指し、恣意的に権威付けようとする行為は、分が悪くなりました。
「世界的な権威」がチェリーピッキングや資金力で手に入れた「メッキ」ではないかどうか。
情報の非対称性を突き破るファクトチェックや、AIや加工によるフェイクの有無すら検証されてしまう現代。

出版自体が悪いのではなく、商業出版を自己のブランディングや権威付けに利用し、それをフロント商材として高額なセミナーや独自資格へ誘導するような囲い込み手法は、流石に賞味期限切れでしょう。

単なる情報発信では誰も受け取らない。
アナタがお手盛りで「先生」や「専門家」を気取ったところで、誰も彼もが首を垂れ、「教えを請いたい」とは限りません。
高いところからの「上から目線」は、それだけで危険な行為です。

いつ振り落とされるか分からない「権威とのロデオ」を楽しむのか。
怪我をしないよう、自ら高いところから降りるのか。

どっちにします?

しがみつくべきなのは、前髪

もし、アナタが「権威とのロデオ」を乗りこなせるとした場合。
振り落とされまいとしがみつくのは、手綱かハネウマのたてがみでしょう。
つまり、後ろ髪や襟足です。

こんな記事を最後まで読むアナタなら、「幸運の女神には前髪しかない」という諺もご存知でしょう。
一瞬で通り過ぎていくから、前髪に手を伸ばせと。

掴むための腕は2本しかありません。
ハネウマの後ろ髪か、幸運の女神の前髪か。
どちらも掴むのは無理でしょう。

アナタが本当にしがみつくべきなのは、ハネウマの後ろ髪ではなく、幸運の前髪だと思うのですが、いかがでしょう?
陰ながら、幸運を祈っております。

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長谷川 雄治
昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。
2011年からWeb制作に従事。コーディングやWordPressのカスタマイズ等を主に経験を積む。2013年、仮面ライターとして独立開業。マーケティングや企画、上流も下流も幅広く対応。
コーディングとコンテンツ制作の同時提供を考えるヘンな人。
BLUE B NOSEでは開発等を担当。

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