いよいよ、来週には12月。
年末年始が近付き、予定が立て込めば立て込むほど、計画的にスケジュールやタスクを管理していても、予想外の出来事によってペースが乱されてしまうのも、この時期ならではのあるあるですね。
仕事だけならまだしも、プライベートまでイレギュラーによって掻き乱され、てんやわんやしてしまう師走。GTDやTodoリストを駆使してカオスな状況を乗り切りたいけど、紙とペンを持ち出して書き出している暇、整理している暇もない。そんな時、アナタならどうする?
状況を俯瞰して冷静になる余裕もない時のオススメは、LIFO。
LIFOとは、Last In First Out。
「後に入れたものを先に出す」方法で、最後に発生した最も新しいタスクから処理するスタイルです。
何らかのリストや管理ツールを使っていると、ついFIFOーー最初に発生した古いタスクから順番に処理しがちです。しかし、タスクに忙殺されている時には、あまり向いていない印象があります。
GTDやTodoリストとして整理する余裕もない状況下で、なぜLIFOが有効なのか。
今回は、タスク消化にLIFOがオススメな理由についてご紹介しましょう。
とにかく、カオスから抜け出せ
アナタがカオスな状況下にいるなら、まずはその状況から抜け出すこと。
GTDやTodoリストで立て直しを図るのも良いですが、どちらも落ち着いた状態で準備することを前提としているため、切迫した状況で、動きながら実践するには不向きです。
危機や混乱の渦中にいて、状況が刻一刻と変化しているなら、まずは状況から抜け出すことを最優先し、とにかく動くべきでしょう。何が新しくて、どの順番に処理すべきかーー悠長にそんな小難しいことを考えている余裕はありません。
だからこそ、LIFO。
目の前に差し迫った、最も新しいタスクから処理していく。
特に、少ない手数で処理できそうな簡単なタスクからどんどん片付けていくと、自然とタスクの総数が減っていくでしょう。
そうすると、気にすべき対象を絞り込むことにも繋がり、ワーキングメモリにも余裕が出てくるはず。
手数の多い難しいタスクや、いつ終わるか予想できないタスクは、雑兵を片付け、メモリを解放してから迎え撃つ。
リードタイムや締め切り、他者との連携を考えるのは、状況のイニシアチブ、主導権を握れるようになってからでも遅くはありません。
まずは、まっすぐ立てるように足元を慣らし、視界を良好にすること。
差し迫った危機を退け、冷静に判断できる状況を取り戻すこと。
本来のパフォーマンスを発揮し、状況をコントロールするためにも、まずはLIFOで雑兵退治。
「戦いは数だよ兄貴!」(by ドズル・ザビ)はそういう点で正しいので、物量で攻め込まれるなら、物量を減らすこと。
https://dic.pixiv.net/a/%E6%88%A6%E3%81%84%E3%81%AF%E6%95%B0%E3%81%A0%E3%82%88%E5%85%84%E8%B2%B4%21
心の平穏を取り戻すためにも、LIFOがオススメです。
発生直後が処理しやすい
LIFOをオススメするもう一つの理由。それは、タスクは「発生した瞬間」が最も処理しやすいからです。
どんなタスクにも、発生した場所や時間、関係するメンバーが存在します。タスクが生まれた直後であれば、処理に必要な要素がその場に揃っている可能性が高い。つまり、「その瞬間」が最も片付けやすいタイミングです。
さらに、新しいタスクほど関係者の関心が高く、記憶も新しい。顔を合わせている瞬間や、電話、チャットのやり取り中に「この間の件だけど……」と切り出せば、その場で解決してしまうケースも少なくないでしょう。
この時、わざわざGTDやTodoリストを持ち出して、整理する必要はありません。
逆に、発生したことを知りながら放置してしまうと、冷えて固まった米粒や油汚れ、あるいは歯石のように、時間が経つほど厄介なタスクへと変化していきます。
例えば、交通費の精算や領収書の整理を思い浮かべてみてください。
その日のうちに処理してしまえば、せいぜい5〜10分程度で片付けられるでしょう。
しかし、しばらく溜め込んでから処理するには、相応の時間と、重い腰を上げるためのやる気が必要となります。
「確定申告はまだ先だから」と先送りしてしまえば、締め切り間際に焦りながら一年分をまとめて処理するハメになるでしょう。先延ばしにすればするほど、手順や内容を思い出すまでに時間がかかり、面倒臭さも雪だるま式に増していく。
そうならないように、可能な限り「その場で処理する」こと。
余計なタスクを持ち帰らない、溜め込まない。
そのためのシンプルな行動指針として、LIFOをオススメしています。
エントロピーが増大する前に、捌け
TodoリストやFIFOを重視するあまり、処理の順番や手順、礼儀に囚われてしまうと、動き出す前の「段取り」で時間を取られてしまいます。
「これ、どうするんだっけ?」と悩んでいる間にも、タスクはどんどん生まれ、後回しにしているうちに、厄介さと乱雑さとを増していく。
例えば、皆で集合している時に「次の予定」を決めてしまえば済むのに、三々五々に解散してから取り掛かると、時間が経つほど参加して欲しかったメンバーはバラバラに。予定や希望の擦り合わせも困難になります。
あるいは、部屋の中で蚊を見つけたのに、一瞬でも目を逸らしてしまうと、どこへ行ったのか分からなくなるはず。その結果、次の晩も耳元の羽音に悩まされるーーそんな経験、ありませんか?
タスクには、仏教でいう「無明」のような性質があります。
「光が当たっていない」ゆえに「どうなるか把握できない」怖さを持っています。存在を認識しているのに、「見えない」から気になって仕方がない。
この無明に光を当て、「気になって仕方がない」執着を手放し、多数のタスクを把握し続ける負荷を軽減する。それが、GTDやTodoリストの根幹にある考え方です。
だったら、状況が悪化する前に、難しく考えず捌けるうちに捌いておく。
段取りに悩む時間で、一つでもタスクを減らす方が賢明です。
だから、難しく考える暇があるなら、悩む前にLIFO。
タスクや関係者がどこかへ行ってしまう前に、捌きやすいうちに処理してしまいましょう。
着実に仕留めて、主導権を握れ
全てのタスクをLIFOで捌け、とは思っていません。
仕事には締め切りがあり、緊急度だけでなく重要度という軸も存在します。
締め切りが差し迫っているものや、他者との連携が必要な、自己完結できないタスクを優先的に処理しなければならないでしょう。スケジュールが動かせない場合や連携必須の場合は、LIFOの原則よりも、リードタイムの確保が優先されます。
LIFOが真価を発揮するのは、タスクに忙殺されて冷静さや余裕を欠いている時。
タスクや依頼者に振り回されず、自らの手に主導権を取り戻すことが目的です。
安心して先手を取るために、まずはスピーディに頭数を減らすこと。
「速さ」と「数を減らす」ことが肝心です。
LIFOでタスクを捌くのに、最も新しいタスクが自己完結しないタスクや、工数が読めないタスクの場合、素早い処理は困難です。また、数を減らしたいのに「処理した」と思い込み、後からゾンビのように、それも最悪のタイミングで襲いかかって来るような状況では、いつまで経っても安心して主導権が握れません。
自己完結できるタスクや、終わりが見えているタスク、あるいは連絡・パスを優先すべきタスクから、LIFOで処理して行きましょう。
手間の少ないタスクから着実に終わらせ、報連相も怠らずに「終わらせたつもり」で放置しないこと。
LIFOの合間に、締め切りやリードタイムも確認しつつ、全体をLIFOベースで整えていけば、次第にタスク管理やスケジュール管理の主導権、全体を俯瞰する余裕がアナタの手に戻ってきます。
重要なタスクや難しいタスクのために、タスクを減らし、環境を安定させ、ワーキングメモリと心に余裕を取り戻す。
それが、自分のペースと自分らしさ、本来のパフォーマンスを取り戻すためのLIFOです。
ボールは持つな。とにかく蹴り出せ
ドリブルや華麗な個人技で注目を浴びたい気持ちはよく分かります。
しかし、いつまでもアナタの手元にボールがあると、そのタスクや仕事の責任も、アナタにのしかかり続けます。
球技とは違い、仕事やタスクにおいて、「ボールを持ち続ける」のは悪手です。
誰かからボールを受け取ったなら、終わりに向かってシュートするか、次の担当者に素早くパスしましょう。兎にも角にも、ボールを止めず、蹴り出すことが最優先です。
アナタが抱えているプロジェクトは、必ずしも一つとは限りません。
その中で飛び交うボールも、一つや二つでは済まないでしょう。
複数のボールを的確に処理しつつ、倉庫に眠っていた古いボールも順番にゴールさせるか、報連相と共に次の人へパスを繋ぐ。
ボールを蹴り出して誰かに渡すということは、進捗を客観的に可視化するということです。
それは、周囲の安心にも繋がります。
アナタにしかできない重要なタスクや、周りからも「時間がかかるよね」と理解してもらえるタスクだけを残し、他はLIFOで捌いてしまう。
そうすると、華麗な個人技を見せつける余裕も生み出せます。
LIFOで、アナタらしさを活かしましょう。
カオスはとにかく、終わらせる
段取りや計画、自分のペースを乱されると、ついイライラしたり、パフォーマンスを落としてしまいますよね。そこに大量のタスクが降り注げば、誰でも冷静さを欠くものです。
だからこそ、カオスに陥ったときは、まず「終わらせる」こと。
「終わったタスク」を一つでも増やせば、カオスの終わりも少しずつ見えて来ます。
悩む前、厄介な無明へ成長する前に、発生した瞬間に「終わらせる」。
そうすればタスクもスケジュールも、アナタ自身も整えられるはず。
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