今月初めに配信したSubstack、『月報BLUEBNOSE 2025年06月号(#17)』(https://bluebnose.substack.com/p/bluebnose-20250617)の中で、E-E-A-Tを巡る発言について私なりの見解を述べました。また、SNSの投稿などでSEOに関して、「それはどうなの?」とモヤモヤする発言も見かけたので、今回はSEOについてどう思っているか、どう考えているかを改めてお伝えしましょう。
BLUE B NOSE(以下:BBN)がなぜ月額制のモデルを採用し、必要な機能を順次解禁する方法をとっているのかについても、お伝えできたらと思います。
若干不穏なタイトルについても段々分かって来ると思うので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
SEOは、接続路線の多い巨大ターミナル
必要になる技術やノウハウが年々拡大していて、「裾野が広い」と表現をしても良かったんですが、どちらかというと天候に近い複雑系の様相を呈しているので、色んな路線が乗り入れているターミナルの方がビタッとハマるのではということで、見出しのフレーズとなりました。
パッと思いつく要素を列挙してみると、
- ドメインやサイトパワー
- HTML
- E-E-A-TやYMYL
- 情報設計
- カスタマージャーニー
- 検索キーワードや意図
- ユーザーとの関係性
- 見た目やインタラクティブ性
- 多端末対応
- 表示速度の最適化(HTMLやCSS、画像の最適化にJavascript、CMS)
- Googleアルゴリズム
- SNSと仕様変更
- 生成AI、SGE
SEOに取り組む当事者たちだけではどうにもならない、Googleの動向やSNSプラットフォーマーの思惑やトレンドの変化、また社会的、技術的な変化も折り重なった上に「SEO」が存在しています。
いつまでも工事が終わることのない横浜駅とか、大阪駅周辺とも似ているかもしれません。
この中で、Webに詳しくない「素人さん」、カタギのクライアントさんが「SEO」と聞いて想像するのは「コンテンツの中身」や「発信頻度」的な部分でしょうか。セマンティックなHTMLタグの役割が完璧に頭に入っていて、CSSのスタイリングや表示速度にどの程度影響があるかまで分かった上でコンテンツ作成に取り組むのならまだしも、そうでないのなら、影響はごく一部に留まります。
つまり、ちょっとやそっと聞き齧った程度で、「E-E-A-Tに則った良質なコンテンツを発信」しても上手くいきませんし、下手にちょっかいをかけてしまうと、「ウチのシマに何の用ですか?」と、プロ同士の抗争に巻き込まれる可能性があります。
専門家同士が鎬を削る、流れが早くて高度な鉄火場に素人が手を出す、もしくはショバ代を納めずに、シノギを潰しにかかるようなもんなので、まずはそういう領域なんだと分かっていただきたいと思います。
HTMLやE-E-A-Tを分かってても、タマを取られるかも
最低限の内部SEOをしっかりやってもらって、CMSさえ入れてもらえば、後は自分たちで頑張るから大丈夫。イマドキのCMSやブログサービスなら、WYSIWYGもあるし、それがなくてもWordPressのGutenbergみたいなブロックエディタ機能がついてるから、問題ない。多少ならHTMLも、E-E-A-Tも知識があるし……。
まずそもそもですが、本当にHTML5のセマンティックなHTML、それも最新のタグまで分かっている人は、専門家にもほとんど存在しないでしょう。MDN Web Docs(https://developer.mozilla.org/ja/) の関係者とか、標準化団体であるThe World Wide Web Consortium (W3C https://www.w3.org)、CanIUse(https://caniuse.com/)の運営母体ぐらいでしょう。
中途半端に知っていて、知識がアップデートされていない場合、過度にstrongタグやemタグを使ったり、よく分かっていないのに見出しタグを秩序立てずに割り振ったり、本来の使い方とは異なる場所でsmallタグを使う可能性も考えられます。
比較に便利だからと、不用意にtableを入れてしまってレスポンシブを考慮していない表が挿入されることになったり、divタグの閉じ忘れが発生して、レイアウトが大きく崩れてしまう可能性も、全くのゼロではありません。外部URLの埋め込みやiframeの取り扱いも、技術者側と連携が取れていないと、思わぬ不具合に繋がるかも。
同時にセマンティックなHTMLが何かを理解していて、ユーザーにも受け取りやすい情報提供を心がけていたとしても、その発信が、必ずしもアナタがSEOを通じて望む結果に繋がるとも限りません。
良質なコンテンツ、受け取る人のことを考えて知りたい情報を発信すれば効果があるはずと、それだけに熱を上げて必死になったところで、本来の目的を果たせなければ無意味でしょう。
PVやコンバージョンレートが高くても、「本来の顧客」へ届いて、エンゲージメントを深められなければSEOとしては不十分です。ユーザーの段階や心理と、自分たちが提供しているビジネスにおけるWebの役割、SEOが果たすべきことも分かっていないと、費やしたコストが致命傷になる恐れも出て来ます。
拳銃を持たされて、セーフティロックの外し方も知っている、撃ち方も知っているからと不用意に飛び出して、ただ撃たれてしまう鉄砲玉にも似ていませんか?
専門家の世界で生半可な知識や覚悟で介入しても、痛い目を見る。甘く見て手を出さない方が賢明です。
文芸と人間の心理にも明るくないとダメ
技術に明るいだけでは上手くいきませんが、マーケティングやビジネスに詳しいだけでも、上手く機能しないでしょう。情報を提示する方法や読ませ方、それらを通じた関係性の構築まで多少の知識やセンスがないと、ただ発信したところで徒労に終わります。
つまり、ビジュアル的なデザインのセンスも重要ですが、それに加えて文芸的なスキル、消費者や生活者の心理、生活動態についても解像度が高くないと、コンテンツ発信や検索流入を通じた関係構築や信頼感の醸成は困難でしょう。
「特定のキーワードで上位表示」にこだわるSEOも無駄とは思いませんが、そればかりに力を入れてみても、「比較検討」段階の見込み顧客や、一回限りの浮動客にだけ好かれるようになってしまって、これから固定客になってくれそうな人たちや、根強いファンを獲得していこうという動きを取る上では、それだけでは成立しないでしょう。
受け取る相手が「知りたい」と思う情報を提示することは重要ですが、書き手や掲載媒体から熱意や信頼を感じ取ってもらうためには、内にある「書きたい」という衝動に逆らわず、アマチュアリズムを発揮したコンテンツを作ることも必要になってきます。
内側の部分はしっかりとアマチュアリズムで、内発的動機づけによって動き、外側は情報発信のプロフェッショナリズムを発揮して、読みやすく、また人の心理を的確に突く発信を心がける。それとビジネスの理念や目的が合致したところで、ようやく「本物の顧客」を獲得することに繋がるはずなので、SEOとしてはそこまで見据えておかないと、ぼやけた取り組み、成果を上げない取り組みにしかならないでしょう。
要するに、「カタギ」の皆さんにそこまでやってもらえる、あるいはやってもらおうなんて思っていない、というのが本音です。気にするべきこと、必要なスキルやノウハウが多すぎるので、貴重な時間を割いてまで無理にやっていただく必要もありません。
いつアルゴリズムのコアアップデートがかかるかも分かりませんし、いつ頼りにしていたSNSがサービス終了したり、急にアクセスできなくなるかも読めません。そんなヤクザな世界で、中途半端に聞きかじった知識を元に、「さぁ、SEO一本で頑張って生き残ってください」などとお願いできません。
SEOはそんなに簡単なものでもないし、甘いもんでもない。
むしろ、ますます厳しい世界へ突き進んでいる。それがSEOの現実です。
いつでも見守る、いつでも出張るための月額制
BBNでは、WordPressサイトにおける表示速度の最適化を重視し、一部の機能を抑制しています。
YoutubeやX(旧Twitter)の埋め込み、Gutenbergのブロックエディタ関連ファイルを読み込まないことで、「チリも積もれば」方式で徹底的に速さを追求しています。
それによって不便が生じないよう、運用中に必要な機能の復元や解禁に柔軟に応えられるよう、月額制の伴走型モデルを採用しています。それに合わせて、「どのように発信すれば良いのか」というご相談や、「代わりに発信して欲しい」という要望にもお応えしやすいよう、継続的な支援体制を取っています。
プロ同士の世界であるSEOに対して、いつでも駆け込める相談相手や用心棒であり、厄介ごとを代わりに引き受ける、その筋のプロとして寄り添うというイメージでしょうか。
元々は、実際のアクセスデータを見ながら、Webサイトを段階的に育てていくことを目的に始めた月額制ですが、連絡を取りやすい場所にいるプロフェショナルとしてご利用中のWebサイトをもっと活用する方法や、より良いカスタマーサクセスを一緒に目指す相談役・実行役としてもご利用いただいています。
アナタのビジネスが遊びでないなら、WebマーケティングやSEOもまた、本気で向き合うべき世界です。
弱肉強食、理不尽なことも多い仁義なきWebの世界に対して、カタギの皆さんが心置きなく使える、信頼できる便利屋でありたい。
それもまた、偽らざる本音です。
BBNはケツ持ちできる
良質なコンテンツを量産することや、アクセスの良い記事をブラッシュアップすることだけがSEOではありません。また、それらを代行すること、投資することがSEO対策の全てでもありません。
何をすれば正解なのかが見えづらくなったWebの世界で、BBNは「何屋か分からない」と言われるくらい引き出しが多く、技術だけでなく、ビジュアルや情報設計、文章表現だけでなく、ペルソナとのエンゲージメントや、ビジネス全体にも目を向けられます。
何かあった時に、ちゃんとケツを持てるBBNと一緒に、WebサイトやSEO、Webマーケティングに本気で向き合ってみませんか?
SEOに力を入れてるんだけど、うんともすんとも言わなくて困ってるんだと言う方がいらっしゃいましたら、ぜひ気軽にお問い合わせください。