Web制作を、勝利の鍵に

長谷川 雄治
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AIとの向き合い方について、道具の在り方などにも触れた記事を出したところですが、WebサイトやWebサイト制作の事業者という観点でも、「道具」について語っておこうと思います。
今までに語ってきた部分と重複する部分もありますが、何かのご参考になりますと幸いです。小林清志さんの声が過ぎるタイトルで。

先日、『誰かに提供していいのは、1ファゾムまで』(https://bbns.jp/knowledge/1557/)という記事を公開しました。そこでは、AIとの向き合い方や道具としての活用方法について、手を伸ばせば届く範囲、ファゾムに留めておきましょうという話をしています。

その一方で、Webサイトもある意味、事業における道具であるとも考えています。
Webはマーケティングや、ブランディングなど、世間や顧客との間にプレゼンスを構築する上で、重要な起点であり、様々なDXを繋ぐハブであるというのが、私の考えです。

そうなると、道具としては多少なりともレバレッジ性を備えていて欲しいと思いませんか?
遠くのものが取れるマジックハンドのような道具も便利ですし、腕より遠くまで届くからと木の棒や物干し竿を長物の武器とするのも立派な使い方です。

でも、どうせなら人が持つ力を増幅してくれるギアのような変換機能や、文字通り「テコ」のような能力を備えていたら、もっと便利だと思いません?

例えば、ある種のテコでもあるパワーステアリング。これがあるのと無いのとでは、ハンドル操作の負荷が大きく異なります。操作性が格段に上がるこの仕組み、今やほぼ標準装備なので「アシスト無しが好み」という方は、少数派なのでしょう。

つまり、道具として導入するなら、人の力を増幅してくれること。
倍率は低くても構わないから、何らかのアシストがあること。それが道具を使う理由ですし、便利になること、生産性や効率を高めることが、道具のあるべき姿なんだと思います。

じゃあ、Webサイトに求められる「道具」としての役割は何でしょうか?
サイト制作のための費用やマーケティングに投じたコストと、それによって回収した費用が収支トントンでは、「道具」として不十分です。「コストセンター」の枠を出られません。
それでは、Webサイトやマーケティングは「道具」としての役目を果たしていないと言えるでしょう。

Webサイト制作をサービスとして提供している当事者として、Webサイトにできることや期待できる効果なんて、高が知れていると思っています。2025年にもなって、HPのリニューアルや、新しくWebサイトやLPを1つ作ったところで、莫大な効果は期待できません。夢のまた夢でしょう。

だったら、レバレッジ性のある「道具」なんて、無理に決まっている。そんな虫のいい話はない。
その反応も、まさに正解です。普通に考えたらやりようもないし、Webサイト制作を受託する側としても、そんなところまで考える必要はありません。普通なら。

普通で横並びのままなら埋もれるだけですし、普通に考えれば誰もやらないことだからこそ、実現困難なところに手をつければ、大きな変革やイノベーションになり得る。そんな発想で、BLUE B NOSE(以下:BBN)では、あえてそこに向き合っています。

今回は、なぜそんなことをやっているのか、何を考え、どこを目指しているのかを、改めてご紹介いたします。

目次

Webサイトにも種類や分類がある

これは、直接収益に直結するECサイトやショッピングモールサイト、検索の入り口や口コミが集まるポータルサイト、コンテンツマーケティングの中軸となるオウンドメディアといった機能面での違いについて話したいのではありません。ここで述べたいのは、Webサイトが担う役割や果たすべき役割がいくつかに分類されるということです。

ざっくり分類すると、以下の4つでしょうか。

  • マイナスをゼロにするWebサイト
  • プラマイゼロが目標になるWebサイト
  • プラスを伸ばすWebサイト
  • プラスを拡大する起点となるWebサイト

「マイナスをゼロにするWebサイト」とは、「不足」を穴埋めして補うWebサイトです。
今の時代、一事業者として公式Webサイトを持たないというのは、業種を問わず、ある種の「欠落」や「欠損」に相当します。

例えば、名刺に記載された社名やブランド名で検索してもWebサイトがヒットしない。
公式SNSやLINEへのQRコードはあるのに、HPがない。
何かあった時に問い合わせをしたくても、窓口が見つからず、相手が信頼できるか確かめたくても、検索にヒットするのがバーチャルオフィスの外観だけでは、片手落ち感が拭えないでしょう。

こうした「足りない」部分を埋めて、大きな機会損失を防ぐこと。
それが、このタイプのWebサイトが担う、主な役割です。

「存在すること」や「不足を補うこと」が最重要のため、積極的な活用は二の次、三の次。
ただし、使い方次第では、ゼロを超えてプラスへ到達する貢献も可能でしょう。

認識しにくい不測の事態をケアし、自動で守りに貢献してくれるという意味合いでは、「道具」としては意外とありがたいタイプです。

「プラマイゼロが目標になるWebサイト」とは、依頼主から「こんなWebサイトを作ってほしい」と要望を受けて制作する、一般的なWebサイトを指します。少なくとも日本国内におけるWeb制作の大半は、このタイプではないでしょうか。

依頼主の要望をヒアリングして、設計方針を整理し、見積書やRFPを作成し、契約書を締結したり、場合によっては依頼主に注文書を発行してもらったりして、ウォーターフォール型で段階を踏みながら制作を進めていくスタイル。いわゆる、「普通のWebサイト」が該当します。

「プラマイゼロ」とは、冒頭でも触れた「投資と回収」が収支トントンになる状態を指しています。
このタイプのWebサイトでは、依頼主の要望を形にすることが最優先であり、納品後にそのサイトがどの程度活用されるかまでは、受託側は責任を負いません。

マーケティングやSEO等の観点から「こうした方が良いのでは」と提案することがあったとしても、依頼主が「いや、こうしてくれ」と突っぱねれば、その通りに作るのが受託制作の現実でしょう。

このタイプのWebサイトが担う役割や目標は、制作に費やした費用を回収すること。
依頼主が持っていても恥ずかしくないWebサイト、同業他社と比較して恥をかかないことを重視すると制作コストは膨らんでいきますが、それが投資の回収に貢献してくれるかどうかは分かりません。

優秀な「道具」というよりは、飾っておきたいトロフィーやコレクション、あるいは持っていること自体が目的となったステータスアイテムという位置付けです。依頼主側に「使うこと」や「活かすこと」まで考えが及んでいないことも少なくありません。

投じたコストが大きければ大きいほど、「せっかく作ったのに」と期待とのギャップにガッカリ感が強まるかもしれませんが、依頼主の責任に帰する話です。(なのに、あそこの制作会社はダメだったとか、「高い費用をかけても意味がない」と吹聴される、作り手としては割に合わないのも、このタイプです)

「プラスを伸ばすWebサイト」とは、何らかの成果や収益を上げることを目的としたサイトです。
例えばECサイトや、予約機能やクーポン掲載など、広告的な側面も持つ口コミサイト。
あるいは、お問い合わせや申し込みといった直接的アクションや、会員登録やホワイトペーパー、資料請求を起点にリードを獲得するといったLPなど、コンバージョンを意識して設計されたWebサイトが該当します。

目的やゴール、落とし所が明確なため、必然的に戦略やマーケティング施策とセットで運用されます。
サイトへの流入前から、検索エンジン向けのリスティング広告やディスプレイ広告、SNS内でのターゲティング広告などと連動して設計、運用されることも少なくありません。

また、費用対効果を検証しながら改善されていくことが一般的で、「割に合わない」と判断されれば早々に見切りをつけられるので、短期的な費用対効果として大きくマイナスに触れることは少ないでしょう。

実態としてはほぼ広告のため、投資額に対してレバレッジが働くことが前提になっています。そのため、「使うための道具」としての機能は十分です。ただし、小さなコンバージョン率を少しでも上げるためにA/Bテストに執着してしまったり、広告費として消費されるプロセスが見えやすいため、気を取られがちです。

戦略全体の視野が見えにくくなり、狭くなりやすいという点では、諸刃の剣とも言えます。

更に、広告掲載側から、マーケターやコンサルタントが介入してきた場合、彼らが得意とする「売れ線」や「定番の勝ちパターン」へ誘導され、気付けば広告費ばかりがかかる「薄利多売モデル」へ丸め込まれてしまうケースもあります。

利益は思ったほど上がらないのに、広告を止めると売上そのものまで上がらない可能性もあるため、止めるに止められない依存状態、自転車操業に陥ってしまう危険性もあります。

「コンバージョンが取れました」と喜んでいるうちは良いですが、取りやすいコンバージョンばかりを追いかけて目先の利益に囚われてしまうと、長期的にはプラマイゼロより遥かに悪化する可能性を秘めている。それも、このタイプの特徴と言えるかもしれません。

「プラスを拡大する起点となるWebサイト」とは、ブログなどのオウンドメディアもビルトインしたコーポレートサイトや、Webサイトへのアクセスを起点に、ブランドやビジネス全体のPDCAサイクルやOODAループを回すために用意されたWebサイトを指します。

何かを発信するためだけの「孤立した点」ではなく、アナログとデジタルのマーケティングを繋ぐ結節点であり、情報と経営、経営と現場など、事業活動全体という「面」を構成する重要なハブとしての機能が期待されます。

ブランディングやプロモーション、特にオンライン上でのプレゼンスを発揮するための重要な足場であり拠点となる存在です。また、経営と現場が一丸となって効率よく事業を進めるためには、双方を連動させ、制御する機能も果たす必要があります。Web上での施策が現場を支援できないと、全体としてプラスになりません。

さらにWebサイトは、組織の中や経営陣の思想を外へ見せるための覗き窓であり、同時に外の様子を窺い知るための斥候、世間へ噂を吹聴する吟遊詩人や情報工作員の役割を担うこともできます。事業やブランドにとっての「砦」であり、「物見櫓」や「情報機関」としても機能しうる、重要なシンボルです。

アナログの取り組みや、SNSをはじめとした様々なチャネルでの発信、デジタルマーケティングの反響や結果を集約・蓄積し、さらに増幅させる。このキーポイントに位置するのが、このタイプのWebサイトであると考えています。

「プラスを伸ばす」だと、Webサイトや広告の範疇で限られた範囲でのレバレッジに留まりますが、「プラスを拡大する」まで行くと、事業そのもののコアに位置し、事業全体の操縦桿の一部にとして機能するようになります。そこまで行けば、「たかがWebサイト」とは言われませんし、「道具」としても十分すぎる機能を果たせるでしょう。

小さく始めれば、倍率は大きくなる

BBNとしては、「マイナスをゼロにするWebサイト」からスタートして、「プラスを拡大する起点となるWebサイト」を目指すようにしています。
すでに述べたとおり、「プラマイゼロ」が目標となってしまうWebサイトでは、「道具」として物足りない上に、「しっかりしたWebサイト」を作るため、初期投資を抑えるのが困難です。

「プラスを伸ばす」ためには、初期費用もさることながら、継続的にランニング費用もかかります。
「コンバージョンの上がり方」や見込み顧客の「需要」を見極めきれていないと、コンバージョンは上がらないのに、コストだけかかる状態に陥るでしょう。

最初から、「プラスを拡大する起点となるWebサイト」を鼻息荒く作ろうとすると、やはり費用は抑えにくいですし、こちらもコンテンツマーケティングやマーケティングオートメーションなんかも考え始めると、ランニング費用も膨大になります。

要するに、費用をかければ成果に繋がりやすい。ただし、保証はできないというのが原則ですが、それでは「道具」としての甲斐がないというか、事業活動に対するWebサイトの貢献度合いが小さいままになります。

出口である回収費用を大きくすることが難しいなら、入り口である投資費用を小さくすればいい。
だから、小さく始めても損はしにくい上に、機会損失を防ぎながら上積みの道を模索するスタイルであれば、無理なく「プラスを拡大する起点」の構築にも繋げられるのではないか、という発想です。

始められないといつまで経っても見返りは期待できないし、目先の費用が理由で先延ばしにし続ければ、いつまで経っても「穴」を抱えたまま、知らないうちに「見えない機会損失」が発生し続けることになります。だから、「まず、始めましょう」と。

最初から完璧を目指さずに、それでいて周囲と比較しても遜色のないイマドキの必要十分な、指名検索なら問題なく上位表示されるWebサイト。そこからどうやって流入を増やすか、どうやって興味関心をひいていくかを考えましょう、と。

最低限必要なページ、文言なんてそんなに変わりません。連絡先などの固有名詞とトップページ、About USページの説明文と事業内容さえ書き換えれば、あとは後からブラッシュアップしたって、誰も大して気にしません。

Webサイト制作という小さな投資をきっかけに、「あ、変われるかも」と思っていただけるように。
Webに投資しても意味があるんだと思っていただけるように、水面下ではカスタマーサクセスに全力でコミットメントする。それが私たちのスタート地点だと考えています。

DXや最適化、変化のアクセルでありハンドルを目指したい

BBNは、Webサイトの制作費用も運用するサーバの費用も全部込みで、月額1万円という料金を設定しています。この「月額1万円」というある種の喜捨を通じて、より大きな「ギバーズゲイン」をお返しできれば、とも考えています。

きっかけはWebサイト制作かもしれませんが、私たち自身も一事業者として、日々さまざまなツールや業務の最適化に取り組んでいます。各種ITツールや業務のDX支援についても、一般の方よりは知識と実体験があるので、実務に即したアドバイスや提案がしやすいはずです。

Webマーケティングやプロモーション、ブランディングといった周辺領域についても、多少なりとも知識やノウハウを有しています。一人の専門家と繋がっていられる投資だとも思っていただければ、決して高い費用ではないでしょう。

また、現時点ではまだ提携や準備が整っているわけではありませんが、今後は業種を問わずに必要とされる各分野の専門家と連携し、より深いレベル、より広い範囲での最適化や業務改善、事業そのものの変革へと繋げていけたらとも考えています。

Webサイトだけを切り取ってみても、「新しいサイトを公開しました」というお知らせを見てチェックして見ると、「もったいないな」と思うことが少なくありません。SNSの投稿文やブログ記事を読んでいても、「もっとこうすれば良いのに」と感じる場面は多く、簡単に改善できることも多いのになと、毎日のように思っています。

Webに限らず、特にバックエンドを中心として業務全体に目を向けてみれば、まだまだ非効率で「もったいない」部分が沢山あるんだろうなぁ、と。そこを適切に整えていけば、効率も生産性も上がって、日本のポテンシャルはもっと発揮できるんじゃないかとも考えてしまいます。

その大きな変化の、ほんの入り口の入り口になりたい。
多様な変化へ繋ぐハブとして機能出来れば、「たかがWeb」だけれども、意外とレバレッジが効く「便利な道具」になれるんじゃないかと思っていますが、気負いすぎでしょうかね……。

Webサイトから、経済にカツを入れていく

「たかがWeb」に過ぎないので、ただWebサイトを作るだけでは、「相手よし」が関の山でしょう。
大抵は、発注者である「相手」は、更にその先にいる「相手の相手」、エンドユーザーや市場のことをよく見据えずに「自分よし」で作ってしまいがち。
そうなると、その依頼を受ける受託する側も「自分よし」で終わってしまい、依頼主のその後については「知ったことではない」というスタンスになるのが、一般的な形でしょうか。

これではWebサイト制作にいくら投資をしたところで、得られるものなんて、たかが知れてます。
発注者も受託者も、エンドユーザーや市場も、誰一人として本当の意味で得をせず、結果的に尻すぼみで終わってしまうでしょう。

そうではなく、Webサイト制作に少額を投じることで、てこの原理で色んなものに変化を起こす。それがBBNの理想です。少なくとも、依頼者自身の「相手よし」や「世間よし」まで見据えられるように、口を出し、手も動かす。可能なら、小さな変化の積み重ねが、やがて身近な世間、ひいては日本経済全体にも、上向きの変化をもたらしますようにと願っています。

たかがWeb、されどWeb。
「自分よし」「相手よし」「世間よし」の三方よしを念頭に、目の前にある一つ一つのWebサイトに対して単なる「業務」ではなく「世直し」のつもりで取り組んでいます。

月額1万円から経済全体へカツを入れ、刺激を与える。
それが、BBNとして目指す「道具」としての在り方です。

理想は逆転の切り札か、勝利の鍵

そこら辺にあるただの便利な道具ではなく、またコストがかかる大型の重機でもなく。
月額1万円という投資で状況を一変させたり、逆転や勝利を呼び込む「切り札」や「勝利の鍵」を目指しています。

目先の利益を追いかけるのではなく、相手の利益のために奉仕するのでもなく。
「自分よし」「相手よし」「世間よし」の三方よしになるWebサイトやWebマーケティングを目指して、一緒に取り組んでみませんか?

情けは人のためならず。回り回って自分のためにもなると信じて、Webサイト制作を起点にした、景気刺激や社会の活性化、世直しに挑んでみましょう。

Webサイト制作を通じて何かやりたいけど決めかねているという方、状況を少しでも変えるために投資をしたいけど、どうすれば良いか分からないとお悩みの方、BBNに興味があるという方がいらっしゃいましたら、ぜひ気軽にご相談ください。

あえて地味にという、ローコスト戦略

すでに準備済みの雛形やパターンオーダーから始め、更に徹底して「地味」なところを踏襲するスタイルを選んでいますが、その理由はこちらの記事をご参照ください。

ケ 地味マーケティングのすゝめ

他のメディアで「ケ」の話を取り上げて、オウンドメディアでも語ったつもりになっていましたが、こちらをよくよく調べてみると発信し忘れ、ネタとして取り置いたままになっていたことに気がつきました。
個人的には今更な気もするコンテンツですが、この機会に改めて解説してみます。
長谷川 雄治
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長谷川 雄治
昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。
2011年からWeb制作に従事。コーディングやWordPressのカスタマイズ等を主に経験を積む。2013年、仮面ライターとして独立開業。マーケティングや企画、上流も下流も幅広く対応。
コーディングとコンテンツ制作の同時提供を考えるヘンな人。
BLUE B NOSEでは開発等を担当。

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