他社の成功事例ばかり、追いかけるな

長谷川 雄治
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本を読んだり、セミナーの通りにやったところで上手くいくとは限らない。
なぜ上手くいかないのか、どうすべきなのか。
その辺りも含め、ざっくり解説してみました。

自分のビジネスというか、仕事と向き合っていると、不意に先人や同業他社がどうしているか、気になることはありませんか?
自分のやり方は合っているのか、間違っているのかが不安になることもあれば、もっと効率の良いやり方があるかもしれない、他所はもっと良い方法を知っているかもしれないと、ソワソワすることもあるでしょう。

周りは関係ない。自分と顧客との問題だと思っていても、他者との競争からは免れない。
競争の真っ只中にいれば、自分の順位や勝ち方を知って、勝利を収めたくなるのも当然です。

AIに質問したり、SNSを開いたり、ネット検索をすれば、いくらでもヒントは見つかります。
本屋へ足を運べば、教科書や具体的なノウハウ、成功事例も並んでいます。
有償無償のセミナーや、様々なワークショップだって目白押し。

中には、本業そっちのけで勉強会に足繁く通う人もいるでしょう。
少なくないお金を払い、「勉強したつもり」になって身についていない人、学んだことを実践できていない人も沢山いらっしゃいます。

私に指摘されなくても「そんなことは百も承知」でしょうし、それでも「分かっていてもやめられない」人もいる。それが他人の知恵、先人の成功(もしくは失敗)事例です。

「分かったつもり」が危ないのを理解した上で、教わった通り、あるいは事例の通りに実践してみても、上手く行かないこともあります。「そんなはずはない」と何度繰り返しても、事例通りの変化が起こらない、成果に繋がらないというのも、よくある話。

今回は、他社の事例が持つリスクや、どう向き合うべきか。
その辺りについて、語ってみます。

目次

その取り組みが成功したのは、その人だから

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」。
江戸時代の大名、松浦清の言葉だそうです。

https://www.toshin.com/proverb/story-m.php?id=168

他にも、「勝負は時の運」という言葉もあります。
つまり、「負け」に「不思議」はなかったとしても、「勝ち」には運不運が関与しやすいとも言えます。

1回の成功の裏に、99回の失敗があるかもしれません。
そして、1回の成功の後、ずっと成功が続いているとも限りません。

どうしても「勝ち」や「成功」に注目しがちですが、そこに至った経緯や背景、偶然性というのを無視して「これをやれば上手くいく」と飛びついたところで再現は困難でしょう。
その点、失敗や負けは再現性が高いので「不思議」を気にせず対策できるとも言えます。

その成功事例が上手くいったのは、その人がやったから。その会社、そのブランドならではのリソースや強み、条件も関与していたから。そして、たまたまそのタイミングで幸運に恵まれたから。
成功事例や具体的な手順だけでなく、その事例が置かれた環境要素、そこに至るまでのコンテキストにも目を向けましょう。

「これを真似すれば上手くいく」と盲目的になりすぎないこと。
前提となるリソースや条件の違いにも目を向け、本当に再現可能かどうか冷静に見極めましょう。

結果だけに注目するなかれ

ついつい、「上手くいったこと」やそこで語られるサクセスストーリーに目を向けてしまいます。
ただ、「語られないこと」や「結果に現れないこと」も無視して良いかというと、そうではありません。
むしろ、そっちの方が重大な「ミソ」、企業秘密であることもよくあります。

なぜその結果に至ったのか。
それに取り組んだ人たちの背景やリソース、彼らが向き合ったペルソナ、具体的に対応したシナリオはどんな内容だったのか。それらも正確に把握できないようなら、表面的なモノマネ、無駄な投資に終わりかねません。

取り返しのつかない失敗、ギャンブルとなる前に、結果以外も入念に分析しましょう。
環境要因や時代背景といった外部要因にも、目を向けることをお忘れなく。

自分たちに合うかどうかも、大事なポイント

成功事例をそのまま真似るだけで、本当に効果があるのか。単純な水平展開をしても良いのか。
そこも大事なポイントです。

上手く行った人たちと自分たちの業界や業種が異なれば、常識や守るべき法令が変わる可能性があります。時代が違えば、外部環境やユーザーの傾向も単純な同一視はできません。
企業としての規模が異なれば、投入できる予算、リソース、主要顧客にも埋められない差が生じます。
ブランドやサービスの認知度合い、商品力、シェアといった要素も無視すると危険です。

自分たちのブランド、商売に合致するのかどうか。フィットするのか否か。
そこを棚上げして模倣しても、噛み合わない、似合わないと言われて終わりです。

他社が何をやっているか、どうしても気になりますが、まず把握すべきなのは自分たちは、どういうブランドで、どういう商売をしているのか。どんな商品を提供しているのか、客観的な視点で分析し、現状を把握すること。

そして、自分と既存顧客、見込み顧客の関係をしっかり認識すること。
具体的なユーザーインサイトを掴めていないと、その成功事例、取り組みが効果を発揮するかしないかなんて、正確に分析できません。

周りが気になるのは仕方がない。
でも、周りを気にする以上に、まずは自分自身や自分たちの顧客に向き合うこと。
そして、ユーザーインサイトやシナリオ、タッチポイントを高精度に掴むこと。

急がば回れ。
誰かを模倣する前に、自分らしさを把握しましょう。

「そのまま」真似しない

この手の話でよく言われるのは、「学んだことをその通りにやらないと上手くいかない」。
TTP、「徹底的にパクる」とか、「レシピ通りにやれ」と言われることも。

ただ、ここまで述べてきたように、無視してはならない「違い」が山ほどあります。
教えられた通りに真似したからといって、上手くいくとは限りませんし、「上手くいく」と喧伝する人もたった1回の成功を声高に叫んでいる可能性も、否定できません。

肝心なのは、「自分たちがやったらどうなるか」を冷静に見極めること。
これからやろうとしていることに対し、実際に実行に移すとどんな展開が考えられるのか、どんな壁にぶつかるのか。
具体的な手続きを教えてもらったり、一つのシミュレーション、参考資料として使うのがオススメです。

これから何が起こり得るかを、事前に知っておく。
そして「だったら、こうできるかも」と発想を広げるための足場にもなってもらう。
余計な先入観を持たないように気をつけつつ、盲点になりそうな場所を事前に認識しておくだけで、いざという時の対処方法、難易度も変わって来ます。

「そういうお話もある」とか「そういうやり方もある」と、インプットしておく。
徹底的に真似ることにこだわってしまうと、状況の違いや展開の違いに遭遇した時、冷静に判断できなくなります。
アナタが向き合っているのは、過去の終わった事例ではなく、現在進行形の完結していない問題のはず。
過去に囚われている暇なんて、ありますか?

向かい合うべきなのは、現実であり、現場です。
先例ばかり気にせず、アドリブを効かせましょう。

アナタの顧客に働きかけろ

他社の成功事例を再現することより、自分たちの(見込み)顧客に影響を及ぼせているか。
そちらの方が肝心なはず。

他社の例を参考に「自社でも応用できるかも」と検討することも大切ですが、「自分たちならでは」を忘れてひたすら成功事例を踏襲し続けてしまうと、自分たちらしさは活かせないし、せっかくの取り組み、投資も逆効果になり得ます。

ビジネスとして、仕事として、多少なりとも「投資」となるからには、自分たちに合ったやり方で、回収可能な取り組みを考えましょう。
最初にすべきなのは、「どれが上手くいくか」と周囲の成功者を羨ましく眺めることではなく、自分たちを見つめること。そして、自分たちのペルソナをしっかり見極めること。

自分とペルソナ、あるいは既存顧客にとって、何をするのがベストなのか。
まずはそれを意識しましょう。

自分の道は自分で拓け

自分を持たず、周りを羨んだり、振り回され続けるようでは、いつまで経っても「自分らしさ」は身につかないでしょう。
自分の人生、あるいは自分たちの事業に対し、主導権を持ち主体的に動かしたいのであれば、まずは自分の足で立つこと。自分らしいスタイルを見出すこと。

主導権を取り戻したい、自分たちらしいアプローチをしたいのであれば、いつでもご相談ください。
御社にあったWebサイトやマーケティングをご提案します。

皆様からのお声かけ、気長にお待ちしております。

無難な成功事例はつまらない

「こうやれば上手くいく」を必死に再現したところで、何の個性も面白味も生まれません。自分らしさを追求し、易きに流れることなく高みを目指しましょう。

アナタだけの高みに挑め

もうそろそろ年末年始。執筆や読了にカロリーが必要なコンテンツは避け、穏やかな内容をと思いつつ、まだもうしばらくは稼働日だろうということで、パッと目に付いたモノから話題を広げてみました。
オウンドメディアでの発信は、これが2025年内最後。次回は、2026年にお会いしましょう。
それでは、Happy Holidays!
長谷川 雄治
ノウハウ

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長谷川 雄治
昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。
2011年からWeb制作に従事。コーディングやWordPressのカスタマイズ等を主に経験を積む。2013年、仮面ライターとして独立開業。マーケティングや企画、上流も下流も幅広く対応。
コーディングとコンテンツ制作の同時提供を考えるヘンな人。
BLUE B NOSEでは開発等を担当。

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