連日暑いですね。
多少暑さが穏やかになるのかなと思った時期もありましたが、もうしばらくは厳しい残暑が続く模様。
屋外で喉が渇いて仕方がない時。
または、とにかく体温を下げたいと思った時。
アナタはどうします?
私なら、「あそこに行けば買える」と最寄りのお店や、自動販売機を思い出します。
そこまで何とか辿り着いた後は、予算やその時の気分、自分の好みで商品を選びます。
この時、他のお店や他メーカーの自動販売機を探そう、比較しようとする余裕はありません。
まず、与えられた選択肢の中、その売り場の中で考えます。
そして、これまでの自分の好みや、売り場へ辿り着くまでに「これがいい」と思っていたものの影響、周囲の環境も大きく作用します。
暑い中、甘さがくどそうな缶コーヒーや、あったかいコーンスープ、ちょっと高くて独特の味がする特保に手を伸ばすでしょうか?
身体に悪いと分かっていても、液糖や人工甘味料、香料がたっぷり入った炭酸飲料を選んじゃったりしませんか?
つまり、売り場へ辿り着いた時、棚に陳列された商品を見る前に、買う側は半分ぐらい心を決めているということです。
日常的に思い出せる売り場、第一想起の地位を得られているか。
また、それまでの過程で「良い商品、好みのブランドだ」と認識されているか否か。
そうした要件も鑑みず、売り場へ辿り着いた後から「強み」だの「差別化」だの「選ばれる理由」だのを主張したところで、選ぶ側からするとノイズにしかならないでしょう。
どうするかは大体決まっている、横から指図するんじゃない、と。
昨今のアルゴリズムや検索事情、ドメインエイジといった状況を鑑みると、Webサイトの場合、「たまたま辿り着く」可能性は極めて低くなっています。
たまたま、数多くの選択肢がある場所、比較検討ができる場所に来たから、横一列のつもりで「選んでやろう」みたいな状況は、ほとんどありません。
そうした状況にも関わらず、相変わらずAIDMAだの、「選ばれる理由」だの「訴求力だの」を気にしすぎている、時代やユーザーに噛み合っていないWebサイトも多いこと。
今回は、そういったズレを踏まえた上で、より実践的な考え方についてお伝えします。
Webサイトを作るため、リニューアルするために、自己理解や分析、USPの模索など、面倒臭いところから手をつけなくて良い理由、気楽に構えていい理由もご紹介しましょう。
目次
ユーザーが求めているのは、答え。もしくは何が得られるのか
Webサイトに限らず、「その場」へ辿り着いたユーザーとして知りたいのは、何でしょう?
商品やメーカーの強みや差別化ポイント、もしくは選ばれる理由がいの一番でしょうか?
恐らく、そうじゃないでしょう。
私なら、その商品が一体何なのか。それを入手することで何が得られるのか、ということをまずは端的に示してもらいたい。
飲料であれば、喉の渇きを潤してくれるのか。どんな味、フレーバーなのか。
しっかり体を冷やしてくれるのか否か。それから、成分や値段、どのメーカーが出しているのか。
予算の範囲内で、今すぐ喉を潤せるのか。
その答えを最初に示してくれないと、その先にある「強み」や「差別化」なんて目に入りません。
売る側は他社との違いや、値段の背景でもある「選ばれる理由」を知ってもらいたいと思うのでしょうが、急いでいるユーザーからすると、それはどうでも良い要素です。
じっくり比較検討しているユーザーであっても、その辺りの要素は後でじっくり読めれば、それでいいと考えるのでは?
まず、その商品、サービスが何なのかをはっきり伝えること。
そして、それがユーザーが求めていた需要や、譲れない条件に合致するか否か。
ここをやらず、伝えたいことを声高に叫んだところでうるさくて不快なだけでしょう。
まずは相手が求めているものを差し出すこと。
自分が伝えたいことは、相手が「知りたい」と思ってから提供すべきでしょう。
相手の知りたいに応えるべし
何らかの検索キーワードでWebサイトへ流入してきたということは、ユーザーは何かしらの「知りたい」という要望があるはず。
それが、不安を解消するために「確認したい」タイプの「知りたい」なのか、知的好奇心を満たすための「学びたい」タイプの「知りたい」なのか。綺麗に二分することは困難でしょう。
「ペイン(Pain・痛み)」の需要も「ゲイン(Gain・利得)」の需要も両方あるとして、まずはそれに応えてあげることが出発点です。
そのファーストビュー、サイト設計はその観点に立って設計されていますか?
検索で出てきたからクリックしてみたけど、目的のサイトと合致しているか、「間違っていないか?」と不安になっているユーザーに対し、「合ってますよ」と応えられていますか?
指名検索をして辿り着いたはず、と思っているユーザーに対し、表札や看板を掲げていますか?
そのサイトで何が得られるか、一目で分かるようになっていますか?
また、ユーザーが「すぐ働きかけたい」と思った時に動けるよう、マイクロCTAやお問い合わせへのリンクなど、窓口を案内できているでしょうか。
相手の目線に立って、「何を求めているか」を考えること。
「何を知りたいか」や、「どんな不安を抱えているか」を見極めること。
相手の「知りたい」気持ちに貢献できていれば、そこから先はほとんどおまけ。
「3秒で決める」相手に選ばれたいのなら、その3秒で相手が求めるものをお出しすること。
美麗なグラフィックや読み込みの遅い動画、Webフォントの読み込みを待ってレイアウトシフトやチラつきを提示する、その上で選ばれる理由や、誰に向けているか分からない世界観重視のフレーバーテキスト、タグラインを提示されたところで、誰も彼もピンと来ないでしょう。
サイトを運営する側、ユーザーを受け入れる側の都合でファーストビューを設計しないこと。
また、今までの常識に囚われて「こうすべきだ」と決めつけないこと。
ユーザーのインサイトも、検索市場やWebを取り巻く環境も、大きく変わっています。
相手の捉え方も考え方、マインドセットも。今に合わせてきっちりアップデートしましょうね。
ペルソナと検索意図を見極めないと、ヘルプフルは難しい
Googleが近年掲げている、「ヘルプフル(helpful)」。つまり、役に立つ。
検索キーワードや意図に対し、合致したサイト、コンテンツであるか否か。
つまり、「知りたい」について適切に応えられているか否かをGoogleは見ています。
誰のどんなインサイト、要求が背景にあって検索されているのか。
それを正確に見極められないと、ヘルプフルな対応は困難です。
ヘルプフルが困難になってくると、必然的に検索順位も下がっていく。
ペルソナは置かれた立場や状況、あるいは商品、ブランドとの距離によって、同じペルソナであっても、求めているものが変化します。
同じ飲食店に対するペルソナであっても、「今すぐ店に行きたい」人は、お店の場所や予約方法、客単価や決済方法を知りたいでしょう。
シェフやオーナーのこだわり、あるいはお店の雰囲気なんかは二の次のはず。
逆に、「そのうち行きたい」と考えて情報収集している層は、「今すぐ」の人が求めている情報の優先順位は若干下がり、むしろ「こだわり」やお店が生まれた理由、グランドメニューやスペシャリテをじっくり見たいでしょう。
土地鑑を持つ地元の人であれば、埋め込んである地図を見ればすぐに「あ、あそこね」と来店できますが、遠方の人や初めてその街へ辿り着いた人だと、一度電話したくなるかもしれません。
アクセス情報として、最寄り駅や公共交通機関、出口まで教えてあげた方が良いでしょう。
相手が求めているものを的確に返す。
ヘルプフルであると、ユーザーの流入を通じてGoogleにも伝えていく。
そのサイクルを構築できれば、自然と好循環が生まれて上位表示し始めます。
まずは、「誰」が検索してきているのか。
そして、どんなシチュエーションやどんなシナリオ、どんな目的で検索に乗り出すのか、何を求めているのかを正確に見極めること。
絶対に、「自分たちがこれを伝えたい」で組み立てない。
理想のWebサイトが欲しいのなら、好きにしても構いません。
ただ、成果を上げられる、役に立つWebサイトをお求めなら、とことん相手主導を心がけましょう。
兎にも角にも、ユーザーの役に立つこと
他社とは違うと差別化したい。
選ばれる理由を伝えて、比較検討で有利に立ちたい。
独自の世界観を築いていることを知ってほしい、染まって欲しい。
それ、本当にユーザーが求める情報でしょうか?
ユーザーの求めに応じた、役に立つ設計でしょうか?
冷静に考えればお分かりかと思いますが、これらは全て発信する側の都合です。
ユーザーに主導権を譲りたくない、とにかく情報を浴びせたいという欲求が漏れ出ています。
どんな経路であろうとも、Webサイトへ辿り着いた時点で、相手はアナタのことをある程度認識していて、「選ばれる」という観点ではもう半分クリアしています。
あとは具体的にコンバージョンに至るか、成約や決済に至るかだけの違いであって、圧倒的な「その他大勢」からすると抜き出ています。
それでもなお、「選ばれたい」と怯えて、自分が思うままに動いてもらいたいですか?
そんな意図が見え隠れするWebサイトに、長居したいと思いますか?
個人的にはNoです。
せっかく辿り着いたのであれば、サッと次に進むか、ゆっくり眺めたい。
相手が迷わないよう誘導してあげる。もしくは、相手が「欲しい」というまで待ってあげる。
そういう構え方が、肝心なのでは。
役に立つ。それさえ心がけていれば、検索順位もサイト流入も、流入後のコンバージョンも。
放っておいても自然と上がっていきます。
情報を受け取る立場、Webサイトへ訪問する側の立場に立って、今のサイト設計、特にファーストビューがどう感じるか、客観的にチェックしましょう。
本当に、相手に主導権を委ねられているのか。
自己主張を抑え、相手が能動的に知りたい情報を得られる形になっているか否か。
それが、2026年後半に向けて気をつけたいポイントです。
強みも差別化も、向こうは気にしてない
Webサイトへ辿り着いたユーザーが気にしているのは、自分とアナタという間柄。
アナタが良かれと思って、自分たちの強みや他社と比較した場合のUSP、選ばれる理由を提示したくても、相手は根本的にアナタ以外を見ていません。
中には、周りと比較して値踏みしているユーザー、情報収集目的のユーザーも存在しますが、そんな移り気な相手に熱を上げるぐらいなら、自分のことしか見えていない相手をまず気にした方が良いのでは?
いつまで経っても振り向いてくれない相手を追いかけるより、すでに見てくれている人を大切にする。
そして、逃さないこと。
周りとの関係が気になるのもよく分かります。
ただ、相手は今、自分のことを見てくれている。
それを忘れて、「周りと比較して」みたいな話をされたところで、相手は良い気がしないでしょう。
相手のことを思うなら、まずは相手の知りたいと思う気持ちに応えてあげること。
強みや差別化を伝えたいなら、相手が「知りたい」と思った時に出せばいい。
相手が誰なのかを見極め、相手にとって「役に立つ」は何かを見極める。
それに基づいてサイト設計、情報設計ができていれば、あとはほとんどおまけです。
強みや差別化、選ばれる理由はアナタの言葉を支える裏打ちや説得力となってくれれば、それで十分。
相手が「本当か?」と検証したくなった時の判断材料、根拠となるよう、役割を考えてみましょう。
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