「月額制 Webサイト制作」と聞いて、どんなことを想像しますか? 一般的には安かろう悪かろうというイメージを抱いたり、そんな美味い話はないと疑ってかかるのが一般的な反応なのかなぁ、というのが筆者の勝手な想像です。
今回「BLUE B NOSE(以下:BBN)」のHPをリニューアルするに当たって、私も「HP制作 サブスク」で上位表示されたWebサイトや、広告を追いかけてみましたが、発注する側やユーザーの目で各サービスの説明を見てみると、好印象を抱くものは多くありませんでした。
怪しい雰囲気が前面に出ていることもないし、サービスに不安を抱くような何かが目立つこともないんですが、行間や言葉の節々にネガティブな匂いを感じてしまい、似たようなサービスを提供する側だからこそ、あまり良くないイメージを抱いてしまう気持ちはよく分かります。
それにも関わらず、我々がBBNで月額制を選んだ理由、2020年代も半ばに入る今、手垢に塗れた新しくもないモデルを選択した理由について、改めて言語化してみます。
目次
念入りな準備と潤沢なリソースがあれば、「良いサイト」が作れる?
月額制でない一般的なWebサイト制作だと、見積や要件定義、デザインカンプなど段階を踏んで進めるスタイル、作りきりのウォーターフォール型でしょうか。お客様と入念に打ち合わせを積み重ね、ヒアリングや取材にも十分な時間と予算を費やして、事前の契約に則ってお客様のオーダーや欲求を満たせれば、見栄えも良く、お客様も満足できる「欲しかった」Webサイトは作れるでしょう。
ただ、そうやって時間や手間暇をかけて作ったWebサイトが、投じた予算に見合うだけの役割を果たすWebサイトになるかどうか、経営に貢献するWebサイトとなるかどうかは、分かりません。資金のみならず、時間や人と言ったリソースを大量に投じても、割に合わない取り組みに終わってしまい、早々にWebサイトが閉じられるばかりでなく、ビジネスそのものや企業そのものが終焉を迎えるケースも、下請け孫請けの立場から、何度か見てきました。
公開するまでに、どれだけ時間や資金を投じても、Webサイトの継続性には直結しない。顧客、市場、定石。三つの理解を欠いた状態では、どんなWebサイトも短命に終わる。それが、十年ちょっとの下請け孫請けを通じて得た経験則です。
Webサイトの長寿化に必要な三つの理解
Webサイトを長期運用するためには、運営母体である企業やサービスが倒れないこと、継続することが前提になってきます。無料のツールやサービスを使用している場合は、企業やサービスが役割を終えてもWebサイトだけが存続しているケースもあり得ますが、更新が停止するなど「生きている」とは言い難い状態に陥るでしょう。
「稼げる」Webサイトか、「稼ぎに貢献している、繋がっている」Webサイトでないと、長生きは難しいと言えるでしょう。企業やサービスが経済活動を続けるためには、市場や顧客を理解して、需要を満たすこと、価値を提供し続けることが肝心です。それは、経済活動のフローに介入する、あるいは一連の環境に含まれるWebサイトも同様です。
情報発信をしても投げっぱなしで終わる、受け取ってもらえていない、あるいは伝わり切らなければ、どこかのタイミングで役割を終える。それを避けるために、市場と顧客、定石を理解する必要があります。
市場 = エンドユーザーや一般社会、社会通念
商品やサービスでも、情報伝達の世界でも、供給側の理屈だけでは物事は動きません。受け取る側の事情を考慮して、合わせに行かないと受け取ってもらえないし、取引も成立しません。
発信する側の都合だけでなく、受け取る側の都合や需要、一般的な感覚もしっかり把握しておく。その上で千差万別な、多様化を極めつつある消費者や生活者の背景を理解する。ペルソナという仮想人物、仮想人格を通して、どんな発信、訴求なら反応を示すのか、実際に観察、観測を経て掌握する必要があります。
顧客 = クライアント自身や業界の常識、奥底に秘めた信念や真の存在意義など
顧客自身をしっかり理解しないと、無個性な情報発信、見当違いの差別化を打ち出す羽目になり、クライアントの「本来の顧客」に届かなかったり、「本来の商品、価値」を提供し損ねることになります。
表層的な理解で、エンドユーザーに響きやすい、伝わりやすいからと広告に合わせた商品展開や値付け、本来は望んでいない薄利多売で、招かれざる客、ペルソナノングラータを引き寄せてしまい、利益がないより悲惨な事態を招くことにもなりかねません。
顧客が本当にやりたいこと、本当に打ち出したいことも、実は案外言語化できていないこと、自信を持って打ち出せずにいることも多々あります。こちらから顧客を理解することも重要ですが、顧客自身に自分が考えていること、本当に表現したいことを深掘りしてもらうことも大切です。
その上、奥底に隠していた本音や本心、表立って打ち出しにくい差別化の根っこでも、思い切って打ち出しても良い、あなたを通じてなら語っても良いと心理的なブロックを解除してもらう、信頼してもらうというのも、大事な要素です。
定石 = Webマーケティングや情報伝達の世界におけるセオリー、トレンド、制作者側の都合や知見
Webやデジタルマーケティングは他の媒体と異なり、「(エンドユーザーが)使う」という行為が介入します。発注者、クライアントの要望を目一杯満たしたくても、技術的に困難であったり、エンドユーザーが思いもしないことを提示しても、そう簡単に受け入れてもらえなかったりします。
色んな企業や技術の思惑や方向性を踏まえつつ、なすべきことをなす。そのためには、制作者側の都合であったり、制作における原理原則、顧客心理も踏まえた「こうした方がいい」という作り手が持つ知見も顧客、クライアントに理解してもらいましょう。
相互理解を深め、お互いに歩み寄った上でベストな施策を見つけ、共創する。そのためにも、Webマーケティングや情報伝達におけるセオリー、定石をしっかり分かってもらう。
ここが欠けていて短命に終わったWebサイトも多々あり、死屍累々の時代を潜り抜けて今に至ります。
デジタルな試行錯誤も、アナログな関係構築、相互理解も一朝一夕には成し得ない
「市場の理解」を深めるために、公開したWebサイトのアクセスを解析したり、データを元にOODAループやPDCAサイクルを回すのも短期間では困難ですし、数回で切り上げてしまえば精度もそれほど高くなりません。
その一方で、「顧客の理解」や「定石の理解」といった部分も、即座に達成できるケースは稀で、以前から友人関係であった相手であっても、一定の時間を要します。
変化の激しい現代で現実に即して対処する、その上でイニシアティブを握って差別化を図る、能動的に生き残るには、どうしても試行錯誤の部分、データを計測して観察する部分、検証する部分に時間をかけざるを得ません。公開前にどれだけ時間を割くか、どれだけ大金を積み上げるかは、ほぼ関係がないと言えます。
VUCAの時代だからこそ、時間をかける
どうやっても「時間がかかる」のなら、最初から「時間をかける」想定で望めばいい。それも、打ち合わせやヒアリングといった会議室や資料といった紙の上ではなく、オンラインの世界、公開済みのWebサイトの上で。
何が影響するか分からない複雑な世界、カオスの世界で生き残る、確かな手応えを掴みながら、変わらずに変わり続けるためにも、観察や計測を重視する。その結果を踏まえてどっちに進むか、どう生き残るかをまた考える。
VUCAの時代で冒険に臨むお客様に寄り添い、共に未来へ歩むためにも、「時間をかける」ことが可能な月額制のモデルが向いている。時代を超え、長く愛用されるWebサイト、長く活躍する良質のWebサイトをお届けするためにも、BBNは月額制を選択することとしました。
長く使えるWebサイトを、時間をかけて作りましょう
すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなります。どうせWebサイトを作るなら、少しでも長く使えるように、しっかり時間をかけて作りませんか?
BBNは、長く愛用していただけるWebサイト、時代を超えて使い続けていただけるWebサイトのご提供を目指し、積極的な観点で月額制のスタイル、お客様と市場の反応を確かめながら提案を繰り返すテーラーメイド、カスタムオーダーにお付き合いする形を選択しています。
お客様のビジネスと共に歩むWebサイトをお求めの方は、当サービスのご利用を是非ご検討ください。