変えられないから、アシストせよ

長谷川 雄治
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栄養豊富だったとしても、苦味の強い野菜はできるだけ食べたくない。
薬効が確かだったとしても、苦い薬は飲みたくない。
その意思や主張を無理やり捻じ曲げることは困難です。
だったらどうすれば良いか、簡単に解説してみました。

前回の記事や、先週noteで公開した記事など。
徐々に、以前のような感覚、スタイルを取り戻しつつあります。

ただ、本題へ向けて徐々にエンジンをかけていくような自然な書き出し、切り口や方向性を見極めたり、掴んだりするのは、いつまで経っても時間を要してしまいますね。
本来は、そこまで重要視するような部分ではないオマケなんですが、それが全体の出来や筆のノリを左右してしまう、大事な助走やカタパルトでもあるので、どうしたって帆を張りながら良い風、日和を待つ他ありません。

文章のあがり、作業効率は「書き出し」が全て。
散歩と独り言というカードが切れればいいんですが、梅雨時だと早々気軽にできない事情もあり。
時々、森永さんの大粒ラムネでドーピングするなり、誰かのコンテンツをインプットするなどして、強引にエンジンをキックしにいく次第です。

今回も何度か「押しがけ」をしてみたので、何とか走り出せそうです。
この勢い、火種を絶やさぬように、本題へ入っていきましょう。

目次

状況だけでは動かない

一所懸命に計画を立てたり段取りしたり、入念に準備を積み重ねてみたところで、いざ本番を迎えてみると予定通りに進まない。夏休みの宿題を思い出さなくても、そう珍しいことではないでしょう。

「馬を水飲み場に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」ということわざを引用しなくても、この記事の書き出しを見れば明らかです。

良薬口に苦し。病気を治したり症状を緩和するために必要な薬だと分かっていても、苦ければ飲みたくない。幼少期は粉薬を飲むことが苦手だった私も、例外ではありません。葛根湯のような苦い薬を、チョコレートのような報酬をぶら下げられたり、力尽くで口に放り込まれることもありましたが、それでも飲みたくない時は飲まない。

幼い頃の私だけでなく、犬や猫の投薬だって同じでしょう。
「据え膳食わぬは男の恥」ということわざもありますが、どんなにお膳立てされたところで、徹底的に鉄の意志、己の意地を貫き通す人もいます。

環境や状況を整えた方が、特定の方向に誘導しやすいことは確かですが、必ずそうなるとは限りません。
目の前に相手がいるセールスの場ならともかく、居合わせることが少ないマーケティングにおいて、自ら水を飲もうとしない馬に対し、「水を飲め」と要求したところで通らない時は通らない。

それが、忘れてはならない原則です。

自由意志には干渉できない

相手が何をするのか、介入も干渉もできないのと同様に、相手が何を考え、何を思うのかも、外から操作することはできません。
相手も別の人格、意思を持つ人間である以上、洗脳や絶対服従でも強いない限り、相手は相手が思うままに動き、内心の自由を発揮します。

水飲み場に連れていき、「水を飲んでほしい」と促したり、働きかけることはできます。
「喉が渇いたね」と自分も水を飲むことで、行動を唆したり、模倣の誘発を狙うことも可能でしょう。
強引に水を口に注ぎ込み、飲まなければ窒息する状況を作り出すこともできます。

外から環境を整え、力尽くで屈服させ、命令通りに従わせたところで、内心でどう思うかまでは強制できないし、干渉することも不可能です。恐らく、「無理矢理従わされた」というネガティブな印象しか残らないでしょう。

本人が「自分で納得して選んだ」と思わない限り、多少のモヤモヤが残ってしまう。
過度に注意を引こうとしたり、「こうして欲しい」という声かけに対しても、「何となく嫌だなぁ」と思う人はいるでしょう。

いかに自然に、相手の自由意志で選んでいただくか。
それも、昨今のトレンドにおける、忘れてはならない重要なポイントです。

最初から、変えられると思わなきゃいい

セールスでもマーケティングでも、相手の意思決定や行動を外から変えようと思ってしまうと、どこかに「もやもや」が残ってしまいます。その「もやもや」が言語化され、SNSやGoogle Mapsなどで口コミとして発信されてしまうと、簡単には消せないネガティブな印象としてデジタルな海を漂っていきます。

中長期的な影響を及ぼしかねない「もやもや」に、どう対処すれば良いか。
答えは簡単。
行動も思考も意思決定も、最初から変えられると思わなければいい。

心のどこかで、外から働きかけて相手を変えられる、あるいは変えようと思ってアプローチしてしまうと、どうしても違和感のあるアウトプットとなってしまいます。
だったら、そもそもの「変えられるかも」を手放してしまえば、無理のない行動が可能となるでしょう。

どんなにコストをかけ、どんな創意工夫を施したところで、セールスでも、マーケティングでも、相手の考えも行動も、一切変えられない。
心変わりするために環境を整えたり、仕掛けを工夫することはできても、最後はお客様ご本人が決めることであり、外から介入することも干渉することも諦める。

それが一番簡単で、根本的な解決方法です。

相手を読んで、アシストするだけ

変えられないのなら、マーケティングで何をすれば良いのか。
変えられなくても、背中を押したり、障害物を取り除くことは出来ます。
相手がやりたいこと、向かう方向を先読みし、相手の要望をスムーズに叶えるための手助け、アシストをすればいい。

まっすぐ進みたいのに穴があるなら、穴を塞いだり、橋をかけたり。段差があるのなら、転ばないよう注意喚起したり、スロープを設けたり。意思決定に必要な情報が不足しているのなら補って、値段が引っ掛かるようなら価格交渉の機会を設けたり、問い合わせ方法を明示したり、誘導したり。

相手がどう思っているか分からなくても、同じ距離を歩けば、自分と同じぐらい疲れているだろうし、喉が渇いているかもしれない。あるいは、この先しばらくお手洗いがなさそうな状況であれば、自分はお手洗いに行っておきたいし、相手も行きたいと思っているかもしれません。

「自分だったらこうしたい」を、そのまま口にしたり、行動に移せば良いだけです。
自分も休憩してお茶を飲みたいから、「コーヒー飲まない?」と誘ってみる。自分がお手洗いに行きたいから、相手にも「行く?」と聞いてみる。

相手の「こうしたいだろう」を読んで、「こうしない?」と提案する。
相手の思考や動きを読んで、先回りするようなドンピシャのアシストを決めれば、相手は嫌な思いをすることなく「自分で選んだ」と思ってくれるでしょう。

最後の最後に、ちょっとだけ手を添えたり、非常に軽いソフトタッチで、本来の選択肢じゃない隣の商品、サービスに手を伸ばさせるようなちょっとした操作、介入なら許容されることもあります。
相手の「いつも」に合わせつつ、ちょっとだけ自己主張してみても良いかもしれません。

ペルソナの精緻化 × サーバント

見えない相手に対し、相手を尊重してサーバントとしてアシストする。それもドンピシャのタイミングで、「気が利いてるね」と思ってもらいたい。
それには、ペルソナの高解像度化、あるいはカスタマージャーニーやシナリオ、ユーザーインサイトの精緻化が欠かせません。

相手の属性や年代、性別程度の絞り込みでは、生活サイクルや優先順位、具体的な心理は掴めません。
相手と共に暮らすレベル、友人知人として接しているようなつもりで、「アンタはこういう人だから」を見極められるレベルまで、あらゆる手法を駆使して書き込み、高解像度化しておくこと。

実在する人物レベルで、絶妙な「あるある」を見極められれば、どんなタイミングで何に悩むのか、どんなアシストが必要なのかも見えてきます。

そうして見極めたペルソナに対し、サーバントリーダーシップのようなスタイルでお世話しましょう。
相手は部下よりも気まぐれで、言う事を聞かない関係です。上から押さえつけるような態度は通用しません。何事も相手が主役で、こちらは従者。召使として支援する事を心がけましょう。

何をどう伝えるかより、相手を知ること

エレベーターピッチのように伝えたい事を短くし、「1分で話せ」みたいな手法もよく見かけます。
あるいは結論から組み立てていく新聞のような伝え方、逆ピラミッドの手法を使いましょうだの、PREP法で組み立てるだの、起承転結や三幕構成で、みたいな伝え方のノウハウも、マーケティングやライティングのテクニックとして、沢山紹介されています。

「何を伝えるか」を深掘りするフレームワークや技法も、私も散々参考にしてきました。
確かに「何を伝えるか」も「どう伝えるか」も大切なんですが、それ以上にその話を聞かせたい相手のことを知らないと、何を発信したところで「うるさいな」と思われて終わります。

エレベーターピッチなら、何度もチャンスを掴めるだけであって、聞く気がない相手に、相手が興味を持たない話を短く話せたところで、効果は薄いでしょう。
相手に聞くつもりになってもらう、そして相手が聞きたい話をしてあげる。
それが、コミュニケーションの大前提です。

コンテンツマーケティングも、SNSも。
目の前に相手がいないから勘違いしてしまいますが、「とにかく発信すればいい」という話でもなければ、それが許容される時代でもなくなっています。

まずは相手のことを知ること。
そして、相手に寄り添い、相手が不快に思うことをしないこと。
一方的に「自分が伝えたいこと」を発信するとどう思われるか、想像すれば答えはすぐ分かるでしょう。

ただ、どんな相手がその記事、その投稿に辿り着くか分からない上に、相手の心理状態や置かれている環境もバラバラで、絞り込むことも整理することも困難です。
だから、本題へ入る前に、そうした不揃いさを整えるための場、枕話を入念に用意する。

格闘技の前座やイベントの前説、影ナレ、映画館での長い長い予告など。
アレも、メインイベントを味わう前に、不揃いな気持ちや状況を整えていく、踊り場です。
他のコンテンツでもやっているのなら、記事でもしっかり入れ込みましょう。

ただ、ここで相手の興味関心、心を掴めない可能性は十分ある、意外と難しい駆け引きの場です。
ライブ感も高い枕話。そして、文章の本番としてはハードルが高い書き出し、冒頭。
そりゃあ、時間もかかる上に、歩留まりが悪くなることもありますって……。

相手を立てつつ、そそのかす

相手の思考も行動も、変えられない。変えようとしない。
相手の自由意志を尊重し、従者として付き従う。
ただし、相手が「自主的に選んだ」と思うようなアフォーダンスを効かせ、自分が導きたい方向へ行動を促す、そそのかすことは可能です。

環境や状況を整え、「こうしませんか?」とオファーする。
それが必ず上手くいくとは限りませんが、確度を上げて行くために試行錯誤したり、より良い方法を仮説検証することはできるはず。

相手を立て、指図も命令もしないけど、自己主張も織り交ぜ、そそのかして駆け引きする。
それを成立させるには、相手をしっかり見極め、何が気になるのか、何が足りないのかを正確に把握し、先回りして補ったり、何かしらの対処をすること。

腹黒さもあるサーバントとして、相手を主役に据えてアシストする。
それが、現代の基本的なマインドセットじゃないでしょうか。

インサイトもシナリオも見極められるから、上位表示

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難しいなら、お任せを

ペルソナだの、カスタマージャーニーだの。見極めも精緻かも、よく分からないし、面倒くさい。できれば誰かにやって欲しいという方は、こちらの記事もご覧ください。

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長谷川 雄治
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長谷川 雄治
昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。
2011年からWeb制作に従事。コーディングやWordPressのカスタマイズ等を主に経験を積む。2013年、仮面ライターとして独立開業。マーケティングや企画、上流も下流も幅広く対応。
コーディングとコンテンツ制作の同時提供を考えるヘンな人。
BLUE B NOSEでは開発等を担当。

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